凍土遮水壁は6月2日に着工予定

5月30日付の報道配布資料として凍土壁工事の着工予定を公表。資料によると6月上旬から凍結用の冷媒を通す縦パイプの工事を始めるようです。

以下、公開された資料を画像で紹介します。

「凍土遮水壁の着工について」1ページ

凍土壁は地面に垂直に打ち込んだパイプに冷媒(塩化カルシウム水溶液)を循環させることで、地下の土を凍らせて壁をつくり、地下水が建屋側に流れ込まないようにするシステム。冷媒の温度はマイナス30℃で、長い配管を通して総延長1,500メートルに及ぶ凍土遮水壁に運ばれるとのこと。

資料には「ブライン」という一般になじみの薄い用語が出てきますが塩水のこと。無機塩類を溶かして凝固点を下げた塩水系の不凍液ということです。

「凍土遮水壁の着工について」2ページ

1号機~4号機の原子炉建屋とタービン建屋を取り囲む1,500メートルの施工範囲を13のブロックに区切り工事が進められるようです。

規制委からの回答では山側についての許可が出ただけだったような記憶がありますが、海側部分も組み込まれているようです。

「凍土遮水壁の着工について」3ページ

凍結管199本を打ち込む5工区(1,2号機山側)では、準備工と同時進行で削孔、建込工事が始まるように読み取れます。3工区、4工区もほぼ同時進行のようです。

「凍土遮水壁の着工について」4ページ

最初に2日間かけて削孔する穴が、冷媒(ブライン)が流れる外枠になります。穴の底を止水した後、冷媒を流す凍結管を建て込みます。深さは地層にあわせて施工するため場所により異なるようですが、何層かの透水層の下の難透水層まで掘削する計画のため図にあるように30メートルほどの深さになるようです。

ブラインは凍結管の内部から下に流されて、掘削された孔を上昇しながら周辺の土を凍土にしていきます。周囲を冷やすことでブラインそのものの温度は上昇します。温度上昇したブラインは孔口から回収されて凍結プラントへ送られます。

外側はステンレスかなにかの管を入れるのではなく、セメントに粘土(ベントナイト)を混ぜたもので固めるようですね。ボーリング掘削では一般的な工法とのこと。凍結を開始する前に水が染み出したりしませんように。

文●井上良太