おすすめの国 トルコ編 ~Vol.1 イサク・パシャ宮殿~

イサク・パシャ宮殿とトルコの大地。

おすすめの国は?

ぼくが旅行好きだと知った友人が、「どこの国がよかった?」、「どこの国がおすすめ?」と、尋ねてくることがある。

タイトルで「おすすめの国」と書いておきながら、このようなことを言うと、身も蓋もないのだが、答えることに難しさを感じることがある。

なぜなら、人の好みはおのおので異なり、また、それぞれの国に魅力があるから。
それほど自然に興味がない人に対して、美しい自然のトレッキングコースが魅力の南米・パタゴニア地方をすすめても、参考になりそうにもない。また、遺跡に対して、さほど関心がない人に、遺跡が見どころの国をすすめたとしても、やはり、その人にとっては参考にはならない。

そのため、「おすすめの国は、○○!」と、断言はできない。しかし、それでも、誤解を恐れずにあえて言うならば、まず思い浮かぶ国のひとつが、トルコである。トルコは、定年退職後、初めての海外旅行を検討していた両親にもすすめた、個人的にいちおしの国である。

見どころ満載の国、トルコ

両親になぜ、トルコをすすめたのかというと、それは「遺跡」、「自然」、「街並み」、「料理」、「宿や移動手段の清潔度・快適性」、「治安」などのバランスよく、かつ高いレベルで整っている国だからである。

僕自身、トルコはお気に入りの国のひとつで、2度訪れている。最初に訪れたのは、14年前。アジア横断旅行をしていたときだった。

当時、大阪から船で上海に渡ると、トルコ・イスタンブールを目指して旅行をしていた。
トルコには隣国イランから陸路入国した。季節は11月上旬。寒さが身に染みる季節だった。トルコは、それまで旅をしてきた、アジアの他の国とは異なっていた。どこか洗練されていて、宿、交通などが清潔で快適だった。アジアをずっと旅してきたぼくにとって、トルコは、ヨーロッパの国ように思えた。しかし、トルコのイスタンブールで会った、ヨーロッパを旅してきたバックパッカーは、トルコをアジアだと言った。

キリスト教国からイスラム教国へと、歴史の波に翻弄され続けてきた、トルコ。アジアとヨーロッパの架け橋の国、トルコ。トルコは、異文化の香りが漂う、魅力的な国である。

見どころたくさんのトルコだが、その中から人気スポット、個人的に好きな場所をいくつか調べて、紹介していきたい。

イサク・パシャ宮殿

トルコ観光のハイライトといったら、カッパドキアやイスタンブールを思い浮かべるかもしれないが、イランから入国したぼくにとって、最初に出会ったトルコの遺跡がイサク・パシャ宮殿だった。

イサク・パシャ宮殿の最寄の町は、ドゥバヤズィットである。トルコの国土は、長方形のような形をしており、東西に細長い。ドゥバヤズィットは、その東端に位置している。イランとの国境から、車でおよそ30分ほどの距離のところにあり、町の標高は約1,590m。ノアの方舟が流れ着いたと言われる、アララト山(標高5,165m)が見える。

イサク・パシャ宮殿は、ドゥバヤズィットの町から、南東へ5㎞ほど行った山の中腹にあり、宮殿からは、どこまでも広がる荒涼とした大地を眼下に望むことができる。

ちなみに、イサクとは、17世紀、宮殿を建設したこの地方の総督の名前であり、パシャとは、オスマン帝国などで使われていた高官に対する称号のことである。

イサク・パシャ宮殿について、トルコ政府観光局の資料には次のように書かれている。

この地方の総督であったイサク・パシャと、チョラック・アブディ・パシャによって1685年から1784年の間に建設された、オスマン、ペルシャ、セルジュクの建築様式を取り混ぜた宮殿です。宮殿内には366の部屋と、モスク、法廷、厨房と焼き釜、倉庫、浴室などがあります。近くには紀元前9世紀のウラルトゥ王の浮き彫りや岩墓もあります。

引用元:トルコ観光局 | ガイド:東部アナトリア: ウードゥルとドゥーバヤズット

イサク・パシャ宮殿。最初に知ったのは、旅行ガイドブック「地球の歩き方」に掲載されていた1枚の写真。宮殿と荒涼とした大地がとても印象的な写真だった。
トルコ辺境の地ともいえる場所にあるのだが、宮殿とそこから見る光景は、一見の価値がある。

(※旅行当時、まだデジタルカメラが普及しておらず、フィルムカメラで撮影して
  いました。そのため、ウィキペディア・コモンズの写真を主に使っています。)

イサク・パシャ宮殿

イサク・パシャ宮殿

<おすすめの国 トルコ編 ~Vol.2 カッパドキア~ へ続く>

参考WEBサイト

Text & Photo(※出典元記載写真を除く):sKenji