3月2日の「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」を、前日からの変化や変更を中心にチェックします。
1号機,2号機の高濃度汚染水の移送
◆1号機タービン建屋の汚染水を1号機廃棄物処理建屋へ移送した旨、新規事項として記載されています。
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月2日午前10時8分~)
建屋の位置関係は、下記のサーベイマップで確認できます。
地図で赤枠青字で記された「1号機R/B」が1号機の原子炉建屋です。
タービン建屋は「1号機T/B」と小さく記されています。原子炉建屋の海側です。
廃棄物処理建屋は「1号機RW/B」と小さく記されています。原子炉建屋の右隣です。
◆2号機タービン建屋地下から3号機タービン建屋地下への移送が停止されました。
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水の移送を実施(平成26年2月22日午前10時37分~3月2日午前9時38分)
2号機タービン建屋から3号機タービン建屋へ、3号機タービン建屋から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へと、バケツリレー的に行われている高濃度汚染水の移送のうち、2号機から3号機への移送が停止されました。2月22日に再開されてから約8日間の稼働でした。
1号機~6号機
上に特記した高濃度汚染水の移送に関する記載のほか、新規事項はありません。
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月2日午前10時8分~)
◆2号機
1号機の4項目。
※2号機タービン建屋→3号機タービン建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成26年2月22日午前10時37分~~3月2日午前9時38分))
◆3号機
1号機の4項目に加えて、
・3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月24日午後2時37分~)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備の状況
新規事項なし。
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況
新規事項はパトロール結果とサンプリング実績。
<最新のパトロール結果>
3月1日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側の状況
サンプリングについてのみ新規事項として記載。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下貯水槽の状況
サンプリングについてのみ新規事項として記載。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年3月2日分の変更箇所についてピックアップしました。
構成●井上良太
「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」の一覧ページ。過去の「日報」との比較に役立ちます。