2014年2月5日 今日の東電プレスリリース

2月5日(水曜日)です。16:00頃、東京電力のホームページに、本日分の「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」がアップされました。

明日2月6日にはソチ五輪の一部競技が始まります。7日は開会式。そして9日は東京都知事選挙ですね。

世の中の動きとは違って、東京電力福島第一原子力発電所の事故収束と廃炉に向けての動きでは、なすべきことが淡々と粛々と進められているはず。本日も東京電力のプレスリリースから、新規事項(アンダーラインが引かれた部分)を中心にチェックします。

1号機(平成24年4月19日廃止)

昨日からの変化なし。

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

2号機(平成24年4月19日廃止)

1号機同様の4項目。新規事項なし。

3号機(平成24年4月19日廃止)

1号機同様の4項目に加え、「3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月24日午後2時37分~)」

昨日新規事項として記載された「炉心スプレイ系からの注水量を約3.4m3/hから約3.0m3/hへ変更(給水系からの注水量は約2.0m3/hで継続中)」は記載されず。

元に戻されたのか、継続しているのか不明確。
※新規でないから記載されていないと考えられるが、それなら1号機同様の4項目を毎日記載する必要もなくなってしまう。

4号機(平成24年4月19日廃止)

「原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)」「使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中」「使用済燃料プール循環冷却系運転中」

アンダーライン(新規事項)なし。

世界中が注目している4号機だが、燃料棒を何本処置したなどの情報はすでにベールの向こう側。東京電力のホームページにある「ふくいちライブカメラ(4号機側)」は、まさに4号機を映しているものの、カメラングルが高くて、トレーラーが出入りするところは見えない。

5号機(平成26年1月31日廃止)

処置の内容に変更なし。

・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

6号機(平成26年1月31日廃止)

処置の内容に変更なし。

・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

処置の内容に変更なし。

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

水処理設備および貯蔵設備の状況

処置の内容に変更なし。

・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

※ホット試験とは処理対象である汚染水(RO濃縮塩水)そのものを使った試験。

H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況

2013年8月19日のタンクからの高濃度汚染水の漏出を受けて、「同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。」とのこと。最新のパトロール結果がアンダーライン入りで記載されている。前日との違いは日付のみ。変化がないということは、新たな水漏れが発覚するといった事態に比較すれば好ましい状態だ。

<最新のパトロール結果>
平成26年2月4日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))は確認されていない。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

漏えいしたH4エリアIグループNo.5タンク周辺や、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリング結果についてアンダーライン入りで更新。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

1~4号機タービン建屋東側の状況

新規事項は最新のサンプリング実績のみ。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

地下貯水槽の状況

同じく新規事項は、最新のサンプリング実績のみ。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

収束に向けて現地で進められる作業

原発事故の収束と安全な廃炉に向けて、現場では定められた作業が粛々と、淡々と進められていることでしょう。

「パトロール結果」と「最新ののサンプリング実績」が新規事項を示すアンダーラインを書き入れられているほかは、前日からの変化なし。しかもアンダーラインの箇所も日付以外は変更なし。

悪い変化がないのは好ましいこと。望むらくは少しずつでも良い変化のアンダーライン記載が増えていってくれることだ。

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年2月5日分の変更箇所についてピックアップしました。
構成●井上良太