1週間前までは「福島第1原発:3号機水漏れ 格納容器損傷の可能性強まる」(毎日新聞)といった記事が熱心に伝えられていましたが、その後、原発事故の廃炉に向けての作業現場のニュースが少なくなってきたように思います。
1月23日には東京都知事選挙が告示され、メディアの人たちも大忙しなのかもしれませんが、今日も明日も危険と背中合わせの作業が続いている原発の現場から目を離すことはできません。
実際に原発の敷地内に入って様子を見てくることは困難ですが、東京電力は毎日のように福島第一原発関係の情報を公開しています。一般論としては、メディアの人たちも元ネタとして利用している資料です。
公表されている資料には「プレスリリース」「報道関係各位一斉メール」「お知らせ」「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」といったものと、会見時に資料として配布されていると思われる「報道配布資料」などがあるようです。
これらの資料に日々目を通していくことを、始めようと思います。1日1回チェックして前日との変化などについてお伝えしていきたいと考えています。
まずは1月30日分。
報道関係各位一斉メール 2014年
福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋大物搬入口における水漏れの確認について
平成26年1月30日
東京電力株式会社
本日(1月30日)、福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋1階大物搬入口付近にあるホースの接続部から水が滴下していることを協力企業作業員が発見し、同日午前9時54分頃、当社に連絡がありました。
現場確認の結果、1号機使用済燃料プールのスキマサージタンクにろ過水を補給するために設置している消防ホースの接続部からの滴下であり、滴下水はろ過水であることが分かりました。
滴下は1秒に2滴程度であり、滴下した水は当該接続部の下に設置した容器で受けており、容器外への漏えいはありません。
その後、ろ過水を供給しているホースの水抜きを実施し、同日10時46分、滴下は停止しております。
なお、1号機使用済燃料プールの冷却に影響はなく、当該のろ過水を補給するための系統は、常時使用している系統ではなく、スキマサージタンクの水位が低下した際にろ過水を補給するための系統です。
上記のホース接続部からの滴下(水漏れ)については、当然のことながら日報にも記載されています。
日報には突発的な出来事のほか、各号機、共用プール、水処理設備および貯蔵設備、H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況が個別に箇条書きされます。変化が会った部分は下線入りで記されます。
2号機と3号機では、建屋からトレンチへの汚染水の流れを氷の壁で堰き止めて、トレンチ内の汚染水を取り除く計画である旨報道されていますが、その基本的な考えを示すPDFファイルは1月20日付で発表されていました。
報道では、トレンチと建屋の接合部に地上から穴をあけて冷却用の凍結管を入れる予定だが、トレンチ内部にはケーブルや配管などがあり、カメラによる作業では困難を伴うといった内容を伝えていましたが、これに関しては、
<5.その他>
・H26/1/29~
凍結冠を設置するための削孔については、掘りあがった温度測定用の孔にカメラを挿入して、トレンチ内部状況を再度、慎重に確認したうえで削孔開始することとしていたが、トレンチ内部の状況が確認できたことから、凍結管を設置するための削孔を実施中。
引用元:2014年1月29日 福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)「福島第一原子力発電所の状況」 | 平成26年1月29日 東京電力株式会社
「2014年1月29日 福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)(PDF 117KB)」のその他の項に、確認が取れたから作業を実施中と上のように続報されていました。
本日は以上です。
報告●井上良太