特定秘密保護法案に関しては、海外からも懸念の声が上がっている模様だ。
国連、秘密保護法案に「重大な懸念」 人権高等弁務官事務所
2013/11/23 0:56
【ジュネーブ=原克彦】国連人権高等弁務官事務所は22日、言論の自由と健康の権利を担当する2人の特別報告者が日本の特定秘密保護法案に「重大な懸念」を表明したと発表した。特別報告者は日本政府に法案についての詳しい情報を提供するよう求めたという。
言論の自由を担当するラルー特別報告者は「法案は秘密の対象をとても幅広くて曖昧なものにするだけでなく、告発者や秘密について報道するジャーナリストへの脅威も含んでいる」と指摘。特に情報漏洩への罰則に関しては、政府など公的機関の不正や不法行為の告発は法的措置の対象外にすべきだと主張している。
軍事に関するものまで含めて、秘密がダダ漏れの状態では敵対的な勢力を利するだけ。国際的な協調のためにスパイ行為や機密情報の漏えいを防止する法律は当然必要だ。しかし、秘密の範囲が不明確でとめどなく拡大解釈していくことで、憲法を変えることなく戦争を起こすことすら不可能ではない法律など望む人はまずいない。何が秘密かも明かされないまま拘束され、裁判でも秘密の内容について開示されることなく審理されるような不道徳なことが許されるべきではない。
それでも、Illiberalな法案は成立に向けて進んでいく。どうする?
●TEXT:井上良太
著者は法案を宮沢賢治の「注文の多い料理店」にたとえる。特定秘密保護法案の危険について分かりやすく解説している。