山登りのススメ Vol.7 ~鳳凰三山~

天空の道

10月の三連休最終日、日帰りで南アルプス・鳳凰三山を登ってきました。

鳳凰三山は山梨県にある山で日本百名山のひとつです。地蔵岳・観音岳・薬師岳の三山を総称して鳳凰三山と呼びます。古くから信仰の山として知られており、最高峰は観音岳で標高2840m。地蔵岳(2764m)の山頂は、オベリスクと呼ばれる高さ18メートルの岩峰となっており、甲府盆地からもこの巨石を見ることができます。

オベリスクを初めて登ったのは、日本アルプスを海外に紹介した英国人宣教師ウォルター・ウェストンと言われています。薬師岳(2780m)の頂上は、平らで広々としており、富士山や北岳などの南アルプスの山々を一望できます。

日本アルプスの入門的な山であり、山登りを始めたばかりの方も多く訪れる人気の山です。

鳳凰三山

鳳凰三山は、噂通りの名峰でした。

秋の鮮やかな青空にスッと伸びる地蔵岳のオベリスク。観音岳から薬師岳に連なる花崗岩の白い砂地に覆われた山稜。山頂から見える南アルプスの秀麗な山々。コース途中にある名瀑。すべてが美しく、登山の喜びを改めて実感した山登りでした。

今回は、青木鉱泉からドンドコ沢コースを登り、地蔵岳、観音岳、薬師岳を登った後に、中道コースを下って、青木鉱泉に戻りました。

日が短い10月ということに加え、出発時間が朝6:30と遅かったために、先を急いだのですが、美しい滝や山頂からの景色についつい見惚れて、気が付くと時間が過ぎてしまっていました。見どころが多いため、通常よりも時間に余裕を持った計画をおすすめします。

青木鉱泉登山口 → 鳳凰小屋

青木鉱泉から鳳凰小屋までは、ドンドコ沢コースを歩きます。登山口から地蔵岳までは、樹林帯歩きが続きます。

ドンドコ沢コースは、長い登りが続き、木々に覆われたコースですが、途中に、南精進ヶ滝、鳳凰の滝、白糸の滝、 五色の滝があり、休憩をとりながら、登ることができる素晴らしいコースだと思います。いずれの滝も名瀑で必見です。

ただし、鳳凰小屋の方の話では、ドンドコ沢は事故が多いコースとのことでした。私がドンドコ沢コースを登っている時も、二日前に滑落した人が偶然見つかり、救助活動が行われているところでした。前日も、やはり遭難者がいたらしく、救助のヘリが飛んだとのことです。事故があった時のことも考えて複数での登山をおすすめします。

鳳凰小屋 → 地蔵岳

地蔵岳直下に広がる、賽の河原と呼ばれる白い砂地までは樹林帯が続きます。

賽の河原が見えてくると、頂上はすぐ目の前なのですが、最後の登り坂が砂地となっており、足を取られて、想像以上に時間と体力をつかいます。砂地を登りきったところが、賽の河原であり、小さなお地蔵様がいくつも並べられています。

このお地蔵様は、子授け地蔵と呼ばれ、子宝に恵まれない人が、お地蔵様を背負って下山し、子供が授かったら2体にして返す風習があるそうです。

オベリスクは上まで登ることは可能ですが、少しでも怖さや不安を感じた方は、
絶対に登らない方がいいかと思います。

地蔵岳 → 鳳凰三山最高峰・観音岳

地蔵岳から薬師岳までの縦走が今回のハイライトになります。

無数の岩とハイマツ、そして、南アルプスの山並みを見ながらの雲の上の縦走は格別でした。賽の河原から10分ほど登った赤抜沢ノ頭からは、ひときわ美しいオベリスクを
見ることができます。