福島の農作物は安全か? (2)

放射性物質は植物全体から吸収される

前回、福島の畑の作物は安全だとしましたが、一部注意すべきところがあります。
放射性物質は植物の根から吸収される、そんな常識を覆すニュースが流れました。果樹、お茶の葉からも放射性物質が検出されたのでした。
放射性物質が植物の根から吸収されるのであれば、根の浅い小さい植物は地表の放射性物質を吸収しやすいものの、根の深い樹木、果樹はほとんど吸収しないはずです。(放射性物質は地表面に付着していて、深部にはないため)
それが検出されるのだから、別な原因があるはずと新たな研究が始まりました。すると放射性物質は、根だけではなく幹、茎、葉からも吸収されることがわかりました。
原発事故で放出された放射性物質は風に乗って運ばれ、地表、山肌、樹木に付着しました。
幹、茎、葉から吸収された放射性物質は、植物体内に蓄積し、果実にも移行します。
それから、果樹農家は、果樹の幹を高圧洗浄機で洗浄するようになり、果物を安心して出荷できるようになりました。

自分で判断できる

お気付きの方がいると思いますが、前回安全な野菜として出ているものは、どれも1年生の植物(1年で枯れる)で、多年生の植物は入っていません。多年生(宿根)の植物は、原発事故当時に葉や茎から放射性物質を吸収している可能性があります。ワラビ、フキ、コゴミ、タケノコなどは、多年生(宿根)で、根が浅く、やせた土地に生育するため、放射性物質を余計に吸収している可能性があります。
キノコは、樹木、地面などの表面の養分を吸収して育つため、表面に放射性物質があれば、最も吸収しやすくなります。
これらのことを理解すれば、放射性物質吸収の見当がつき、植物の生態がわかれば、安全性を自分で判断できます。

放射能ストレス

現在は、放射能検査で合格したものだけが、出荷されていますので、安心してください。世界基準からみても厳しすぎる検査に合格しているのです。
それでも安心できずに、北海道、西日本などの農産物を購入される方がいますが、そんな人に一言、そんなに放射能がいやなら、市販の冷凍食品、スーパーの惣菜は使わず、飲食店では食事はしないでください。福島産農産物が、たくさん使われているのですから。
市場から締め出された福島産農産物は、安くておいしいために、業務用に引っ張りだこです。料理はすべて、材料を厳選し、手作りにして、外食しないことが本当の安心になります。
購入する食材の産地にこだわっても、冷凍食品、スーパーの惣菜、飲食店の食材産地にこだわる人は稀です。(冷凍食品、惣菜、飲食店では、食材の産地表示は義務化されていません。)そこまでやったら食の楽しみがなくなるどころか、手料理しなければならないストレスに押しつぶされてしまいます。
世界の専門家、学者が認めた基準を、さらに厳しく設定した日本の検査を合格した食材の安全性を信頼すれば、このストレスがなくなり、幸せな生活を送ることができます。