楢葉町から久之浜へ (2013.6.22)
楢葉町からいわき市久之浜地区に移動する。
車を降りて最初に目についたのは、家の基礎部分だった。今朝から見てきた震災の爪痕だった。薄曇りの天気がさらに圧し掛かってくるようだった。
海岸線を歩いてみた。女子学生が二人いた。
学校帰りだろうか。
「キャッ、キャッ、キャッ、キャッ」と騒ぎ、海べりではしゃいでいた。
学生もいろいろな悩みがあることは、私も少しばかり前(?)の経験で承知はしている。しかし、底なしのように感じる彼女たちの陽気さを見ていると、
「いつの時代も学生は、若さがあふれていて
元気パワーの塊だなあ。」
などど、たいして人生経験がないにも関わらず、年寄染みたことを思ってしまう。と同時に、彼女達の笑顔と笑い声が心を少し軽くしてくれた。
町は、まだ被災したものが取り除かれただけの状態だったが、海辺では復旧工事が始まっていた。
海岸近くの住宅があった場所を歩いてみる。
最初、家の基礎ばかりが目立っていた東町地区だったが、土地の持ち主の方が植えたのだろうか。
人の手によって植えられたと思われるきれいな花が、被災地の中で咲いていた。
取材から戻った後、何度も被災地を訪れている会社の先輩から震災後の久之浜についての話を聞いた。
あまり深く考えずに見ていた久之浜に植えらえた花。
植えた人はどういう思いでここに花を植えたのだろうか。
久之浜の震災後について、わずかながらも聞いた今、次回、久之浜を訪れてこの花を見るときは違った花に見えるような気がする。
久之浜
Text & Photo:sKenji