入るべき温泉
●湯泊温泉 ・・・ 子供に恵まれる「子宝の湯」!小宝島の名湯
●真塩温泉 ・・・ 隆起サンゴ礁をそのままくり抜いた天然温泉!
●小宝島温泉 ・・・ 配管の故障により休止して久しい温泉、活気が戻るか?
※各温泉の詳細、アクセス方法はこのページの最後にあります!(^^)
注目すべき魅力
「日本最後の秘境」と呼ばれる島々があります。鹿児島県十島村。鹿児島港から南に約200~300kmの範囲、7つの有人島を持つトカラ列島がその島々です。人口は7つの有人島を合計して686人(2013年現在)。交通手段も3日で1往復の船が週に2本出ているのみです。おそらく、日本のあらゆる地域の中でも、かなり到達難易度が高い島々ではないでしょうか。観光客も少なく、知名度も低めですが、だからこそ、島ファンの間では憧れの存在となっている気がします。
今回紹介する島は、トカラの有人島7島を北から順に数えたとき、6番目にあたる島・小宝島(こだからじま)。トカラ列島においても、この島から植物相が変わるらしく、また、海も青く澄みはじめます。ぐっと沖縄に近づいたと感じるはず。
事実、それまでの島が火山島であったことに対し、小宝島はサンゴ礁隆起の島。小ぶりな山はあるものの、基本的には道も平坦で歩きやすい島だと言われています。そして、意外でしたが、このサンゴ礁隆起の島にも温泉があるのです。そんな小宝島の温泉を紹介します。
■1.ちょっと珍しい!サンゴの岩場に湧く温泉
小宝島の東側に温泉が2つ、並ぶように湧いています。
ひとつは、硫黄の香りただよう【湯泊温泉(ゆどまりおんせん))】。浴槽に限って言えば、コンクリートづくりで整えられていますが、周辺は素足やサンダルでは歩きにくそうな、サンゴ礁隆起の島らしいゴツゴツした岩場。滑らかな岩や木々は見当たらず、離島の温泉の中でも個性的な出で立ちをしているように思います。海の向こう側には無人島・小島が見えるだけ。自然に溶けていくような気分が味わえそうです。
もうひとつは、湯泊温泉の岩場を下った先にある【真塩温泉(マショおんせん)】。こちらは、隆起したサンゴ礁をそのままくり抜いており、そこに温泉が湧き出ています。浴槽は3つあるのですが、奥にの浴槽は湯温が熱く、70℃を超すほどなのだとか。奥から熱め、やや熱め、適温となっているそうで、訪れる人は「手前の浴槽に浸かる」と口をそろえます。このあたり、いかにも天然の野湯といった感じで面白いですね!
■2.美食家御用達の温泉塩が絶品らしい
小宝島の温泉は塩分濃度が高いため、「温泉塩」として特産品にもなっています。
この温泉塩を造るのが有限会社小林工房。HPによると、通常の塩のように、源泉を汲み上げ、長時間かけて炊き上げるそうで、その味が絶品だとか。かつては『新どっちの料理ショー』で特選素材として取り上げられたほどなのだそうです。通常の自然海塩に比べ、カルシウムが10倍、カリウムが70倍というからスゴいです。
それ以上は言及されていませんでしたが、カルシウムやカリウムと言えば、サンゴを形作るうえで重要な成分。隆起サンゴ礁の島の温泉だけに、やはりサンゴの成分が溶けこんでいるのでしょうか。
食塩としてだけでなく、入浴剤としても使えるそうです。面白いですね。
■3.そして、名前のとおり「子宝の湯」
「こだからじま」と聞けば、なんだか縁起が良さそうですよね。小宝島の温泉は、その名前から「子宝の湯」とも言われています。元々小宝島は、隣島の宝島に対して小さかったので小宝島という名前になっただけ。ですが、実際この島には、子宝に恵まれる縁起の良いエピソードがいくつかあります。
●島を遠目に見ると、妊婦が横たわっているように見える。
定期船が小宝島に入港する角度・南西から島を見ると、形がまるで「妊婦の
大きくなったお腹と頭」のよう。言われてみると、不思議ですね。本当にそ
う見えてくる……。
●温泉につかり小宝神社を参拝すると子宝に恵まれるという言い伝えがある。
島には小宝神社という、島の神々を合祀した神社があります。「合祀した」
というように、あらゆる神々が祀られてあるのですが、いつの間にか、
「子宝に恵まれる」神社として知られるようになったようです。
●小宝島を訪れて初めて子供を授かり、現在は島民
長年子宝に恵まれることのなかったご夫婦が、小宝島を訪れたことを機に
子宝を授かったそうです。現在は通船作業員のSさん夫婦、上で紹介した
製塩業を営む小林さん夫婦もそんな恩恵を得たご夫婦。やはり、縁を感じて
移住したのだとか。
●人口50人未満の小宝島、島民の3分の1以上が学校関係者(2013年現在)
長らく人口50人未満の小宝島。トカラ列島でもっとも少なく、過去には無人
島化の危機もありました。ところが、ある時から島が子供に恵まれるように
なり、廃校となっていた小中学校が活気を取戻しました。現在の児童・生徒
は10人程度、島民の3分の1以上が学校関係者という島になっています。子供
たちによって支えられている島と言っても良いかも知れません。
温泉から逸れた話が続きましたが、「子宝の湯」はこんな小宝島に湧く温泉です。なんだか効きそうな気がしませんか?
温泉情報はこちら!
【湯泊温泉(ゆどまりおんせん)】
景 色 ★★★
泉 質 ★★★
浴 室 ―
施 設 ―
コスパ ★★★(無料!)
内 湯 なし
露 天 あり
【名 前】:湯泊温泉
【泉 質】:硫化-塩化物泉
【効 能】:神経痛、筋肉痛、切り傷など
【場 所】:鹿児島県鹿児島郡十島村小宝島
【ア ク セ ス】:小宝島港から北東へ徒歩40~45分
【料 金】:無料
【営 業】:―
【定休日】:無休
【TEL】:―
【特 記】:混浴
浴槽が3つあり、それぞれ湯温が異なる。
熱めのお湯は熱すぎると評判ので注意。
【真塩温泉(マショおんせん)】
景 色 ★★★
泉 質 ★★★
浴 室 ―
施 設 ―
コスパ ★★★
内 湯 なし
露 天 あり
【名 前】:真塩温泉
【泉 質】:硫化-塩化物泉
【効 能】:神経痛、筋肉痛、切り傷など
【場 所】:鹿児島県鹿児島郡十島村小宝島
【ア ク セ ス】:小宝島港から北東へ徒歩35~40分
【料 金】:無料
【営 業】:―
【定休日】:無休
【TEL】:―
【特 記】:混浴
熱めのお湯は熱すぎると評判ので注意。
「名湯のあるところには名島があり」
ここでは、ステキな温泉を持つ島々を紹介します!