大船渡線BRTの車窓に船が!
鹿折唐桑駅前を経由して、バスは気仙沼駅へ向かいます。
BRTというのは、鉄道並みの高速運行をバス利用で目指す交通システム。
被災地では、大船渡線の気仙沼~盛と、気仙沼線の柳津~気仙沼の2路線で運行されています。
仙石線などのバス代行運行とは、BRTは鉄道並みの速さと、定時運行を目指しているところが違うのです。通常の道路を走るほか、一部ですが、線路があった場所を舗装してBRT専用レーンとして使っています。また、運行状況を確認できるロケーションシステムも導入されています。
さすがBRTだと思ったのは、バス停なのに陸前高田(駅)にはみどりの窓口が設置されていてること。
新幹線の乗り継ぎ乗車券まで買えるんです。ただし営業時間は、日・火・木曜のみの10時~13時・14時~16時なのでご注意を。
陸前高田では、駅も市役所も津波被害でなくなりました。
市役所は高台の仮設庁舎で運営中。陸前高田駅も市役所前のバス停に移転しています。
仮設市役所のある高台は、開発工事の真っ最中。ひっきりなしに大型ダンプが走り回ります。ここでは復興工事が優先。大船渡方面から坂道を上ってきたBRTのバスも、順番待ちです。
陸前高田から気仙沼に行く鉄道線路は、竹駒、陸前矢作を経由する山の中の路線でしたが、BRTでは海沿いを走って鹿折の町中に入り、約30分ほどで気仙沼駅までを結んでいます。
この区間にはBRT専用レーンはありません(現在、大船渡~盛間に専用レーンが設置されています)が、どの駅(バス停)にもほぼ定時に到着する、快適なバス旅でした。
このバスの車中で、奇跡の一本松について感じるところがあったという話は、つぎのリンクからお読みください。
上が大船渡線のBRTバス。下は気仙沼から南三陸を経由して、柳津までを結ぶ気仙沼線のBRTです。どちらもハイブリッドバス。ボディに描かれたキャラが違うだけで、そっくりです。
気仙沼線のBRTバスには、陸前階上駅近くの専用レーンで出会いました。
遠くにホームと跨線橋らしきものが見えます。道路に見えるここは線路だったのです。
一般車が入ってこないように設置された遮断機が上がって、BRTが走っていきます。
こちら、一般道との交差点に残されている「踏切」の表示。
もともとは一般道の車を停止させるためにあった遮断機が、いまでは向きが90度変わって、専用レーンへの侵入を防いでいるわけです。
地元では、BRTはあくまでも鉄道が復活するまでの仮復旧という声が多いそうです。
それでも、定時運行される交通手段ができたことは大きなメリット。この土地に暮らす人たちにとってばかりでなく、観光客もBRTを利用したバスの旅を楽しめるようになったのですから!
●TEXT+PHOTO:井上良太(株式会社ジェーピーツーワン)
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