入るべき温泉
●地鉈温泉 ・・・ 秘境感抜群!崖の下に湧く赤いお湯
●足付温泉 ・・・ 海を眺める温泉!その昔はアザラシも傷を癒した?
●松が下雅湯 ・・・ アクセス容易!皇太子妃雅子さまより名前を頂いて「雅湯」
●温泉「憩の家」・・・ 島では唯一の屋根付、内風呂温泉。名前通り島民の憩の場
※各温泉の詳細、アクセス方法はこのページの最後にあります!(^^)
注目すべき魅力
一般的に注目されることは少なめな印象ですが、伊豆諸島は伊豆半島(熱海、修善寺、伊東、下田あたり)にも負けず劣らずの温泉天国!その中でも特に注目しておきたいのが、新島、式根島の温泉群です!今回は式根島を紹介します。
都心からジェットフォイルで南へ2時間弱の距離にある新島。その新島から船を乗り換え、さらに南西に5kmほど下った先に式根島があります。新島村に属する小さな島で、島の外周はおよそ5km。徒歩でゆっくり歩いたとしても、半日かからず一周できてしまいそうです!
マリンスポーツなど楽しめる式根島ですが、この島こそ、温泉を第一目的にすべき島と言っても過言ではないでしょう。砂っぽい土壌が特徴的な新島に対し、式根島は火山を思わせる荒々しい岩場が印象的。新島が穏やかに“心”を癒す島なら、式根島は豪快に“身体”を癒す島でしょうか。湧き出る温泉に野性的なパワーを感じずにはいられないのです!
■1.岩場に囲まれたディープな温泉群!甲乙つけがたい景観を堪能する!
集落を南の方向に歩きます。20~30分歩けば、500mほどの距離の間に4つの温泉が順番に見えてきます。海沿いは岩がむき出しの豪快な崖。一見近寄りがたいと思ってしまいそうですが、看板に従って歩いていくと、岩場に囲まれた野趣あふれる温泉が待っています。
【地鉈温泉(じなたおんせん)】は崖と崖に挟まれ、遠目にはちょうどV字のように見える谷の方向。やや急な階段を下って行った先にあります。すぐ横はダイビングにも人気な青く美しい海。一方の地鉈温泉は、金属が少し錆びたような赤っぽい色をしているので、そのコントラストがなかなか不思議です。
【足付温泉(あしつけおんせん)】は地鉈温泉の北東方向にあります。地鉈温泉に比べると、岩場は白っぽく、お湯もそれほど赤っぽくありません。足付温泉の方が、一般的にイメージされるような温泉像に近いのではないでしょうか。温泉の向こう側には海の景色が広がっており、ほのかに沸き立つ湯気が海中温泉らしい景観を見せてくれます。
2つの温泉に共通しているのは、海中温泉のため、お湯加減が潮の干満にゆだねられるところ。干潮時は下手をすると火傷してしまいそうなほど熱く、満潮時はなんとも言えないくらいにぬるいなんて声もちらほら聞きました。この人間の力ではどうしようもない点なんかも、趣があって良いなぁ、なんて思えてしまいます。適温の時間を見計らっておいた方が良さそうですね!24時間入浴可能なため、観光客はもちろん、島民のお風呂としてその役割を果たしています。
■2.異なる泉質で中から外から身体を癒すべし!
1つの島に2種類の温泉が湧き出ているのも式根島の大きな特徴です!
先に紹介した【地鉈温泉】は赤っぽい色のお湯が印象的。これは硫化鉄泉と言うそうです。どうやら、日本でもあまり見かけない泉質のようですが、式根島では、ここ地鉈温泉のほか、【松が下雅湯】【温泉 憩の家】でも同様の泉質が楽しめるようになっています。別名「内科の湯」と呼ばれているそうで、関節痛、神経痛、リュウマチ、胃腸病、婦人病、冷え性といった、身体の内部への効能が期待できるとのことです。
【地鉈温泉】は景色が抜群な反面、たどり着くまでが険しい道のり。体調の優れない人には厳しいかも知れません。しかし、【松が下雅湯(まつがしたみやびゆ)】【温泉 憩の家】は、それぞれアクセスが容易で、車があれば歩く必要もなさそうです。
もうひとつの泉質を持つのが【足付温泉】です。こちらは炭酸泉ですので、お湯の色も透明に近いです。炭酸泉の効能は切り傷、擦り傷、血流促進など。気泡が肌に溶け込むことで、良い具合に皮膚や血管を刺激するのが炭酸泉の特徴と言われています。と言うことで、式根島では別名「外科の湯」と呼ばれるのだとか。身体にとっては嬉しいこと尽くめですね!この炭酸ガスはスポーツ後の筋肉などにも効くそうで、筋肉疲労を緩和したり、怪我の抑制につながる効果も期待されているそうです。
「その昔、傷を負ったアザラシがこの温泉に浸かっていた」という言い伝えもあったりします。
■3.式根島をより深く楽しむ方法は「歩く」
式根島の温泉は、景色が素晴らしく、そして身体にもすばらしいことがわかりました。あえて難点を挙げるとすれば、4つの温泉は、港から見てすべて島の反対側にあるという点。徒歩30分ほどかけて、島の端から端までを歩かなくてはなりません。
ただ、式根島をゆっくり歩いてみるのもなかなか面白そうです。話を聞く限り、特別な見どころがある!というわけではなさそうですが、見かける生き物が普通より少し大きかったり、都会では見られないような景色を楽しんでみたり、素朴な風景を楽しんでいる人が多い印象です。「何もない」を言葉にしてしまうと、なんだか寂しくも感じます。けれど、モノに溢れた日々を過ごしていると、「何もない」はかえって貴重な時間なのかもしれません。その時間をゆっくり楽しんでみるのもアリな気がします!
これだけ身体を癒してくれる温泉ですから、体調さえ良ければ、しっかり歩いて少し疲れているくらいのほうが良いかも知れませんね!
温泉情報はこちら!
【地鉈温泉(じなたおんせん)】
景 色 ★★★
泉 質 ★★★
浴 室 ―
施 設 ―
コスパ ★★★
内 湯 なし
露 天 あり
【温泉名】:地鉈温泉
【泉 質】:硫化鉄泉
【効 能】:関節痛、神経痛、リュウマチ、胃腸病、婦人病、冷え性など
【場 所】:東京都新島村式根島
【ア ク セ ス】:野伏港より南へ徒歩25分程度。
【料 金】:無料
【営 業】:― (満潮時刻の前後2時間が適温)
【定休日】:―
【TEL】:04992-7-0170(式根島観光協会)
【特 記】:通称「内科の湯」
水着着用の混浴、着替える場所が無いため予め着ておく方が良い
トイレあり
急な階段を下りるので注意が必要
【足付温泉(あしつきおんせん)】
景 色 ★★★
泉 質 ★★★
浴 室 ―
施 設 ―
コスパ ★★★
内 湯 なし
露 天 あり
【温泉名】:足付温泉
【泉 質】:炭酸泉
【効 能】:切り傷、擦り傷、血流促進など
【場 所】:東京都新島村式根島1006
【ア ク セ ス】:野伏港より南へ徒歩30分程度。
【料 金】:無料
【営 業】:―
【定休日】:―
【TEL】:04992-7-0170(式根島観光協会)
【特 記】:通称「外科の湯」
水着着用の混浴、脱衣所、シャワーあり
「干潮時は熱く、満潮時はぬるい」と言われている
【松ヶ下雅湯(まつがしたみやびゆ)】
景 色 ★★★
泉 質 ★★★
浴 室 ―
施 設 ―
コスパ ★★★
内 湯 なし
露 天 あり
【温泉名】:松ヶ下雅湯
【泉 質】:硫化鉄泉
【効 能】:関節痛、神経痛、リュウマチ、胃腸病、婦人病、冷え性など
【場 所】:東京都新島村式根島1006
【ア ク セ ス】:野伏港より南へ徒歩20分程度。
【料 金】:無料
【営 業】:―
【定休日】:―
【TEL】:04992-7-0170(式根島観光協会)
【特 記】:通称「外科の湯」
露天温泉としては唯一潮位を気にする必要がない
水着着用の混浴、トイレ、脱衣所、シャワー完備
車でも近づきやすい
【温泉 憩の家】
景 色 ★
泉 質 ★★★
浴 室 ★★
施 設 ★
コスパ ★★
内 湯 あり
露 天 なし
【温泉名】:温泉 憩の家
【泉 質】:硫化鉄泉
【効 能】:関節痛、神経痛、リュウマチ、胃腸病、婦人病、冷え性など
【場 所】:東京都新島村式根島995-2
【ア ク セ ス】:野伏港より南へ徒歩20分程度。
【料 金】:大人200円、子供100円
【営 業】:10時~22時
【定休日】:水曜日
【TEL】:04992-7-0576
【特 記】:地鉈温泉と同じ硫黄鉄泉。休憩室あり
「名湯のあるところには名島があり」
ここでは、ステキな温泉を持つ島々を紹介します!