●1.ボクは学生時代の友人・ネスの家に泊めてもらっていた。
「俺らってあんまり共通の友達おらんよなー」
「たしかに・・・」
「・・・じゃあ、婚活パーティ行こう」
「えっ!?」
「・・・・・・じゃあ、婚活パーティ行こう!」
■登場人物
お見合いカップリングパーティ
「ちょ・・・なんで婚活パーティなんよ」
「いや、女の子たくさんおるし。なかなかこんな機会ないで!こういうところから共通の友達見つけて行こう」
(パーティなんか馴れてないけどスーツで大丈夫かな・・・)
「婚活って言うからには、結婚とか意識してる人らが来るんよな?大丈夫かな?」
「大丈夫やって!俺とか別に結婚する気ないし。
こういうのも一回くらい経験しておいた方がいいって!」
●会場はマンションの1室のような場所。
薄暗いムーディな雰囲気で、コの字型に椅子が用意されている。
女性は同じ場所に座り、男性は右に移動しながら、女性と会話していくらしい!
1人1人、1対1で会話できるのがこのイベントのウリのようだ!
まずは、【事前アンケート】と【プロフィールシート】を記入する。
これを記入することで、相性診断や対面トークに活用するらしい。
ちなみに参加費は男性6,000円、女性500円デシタ。
婚活市場は女尊男卑なんですね・・・
(えーと、出身地、勤務地、休日、趣味、好きな食べ物、テレビ番組・・・うわ、就活のエントリーシートみたい!『2年以内に結婚する気はありますか?』付き合う前からそんなん考えられるか!)
「こんにちはー」
「ふぇ?」
「よろしくお願いします~」
ミッション:5分間トークで印象に残れ!
●司会の人が男女を席に案内し、座席に10人ずつが座った。
まずは先ほど記入した【プロフィールシート】を片手に、
10人の女の子と会話していくらしい。
司会のお姉さんが段どりよく仕切っていく。。
「それでは!こちらが合図するまで正面の女性、男性の方とトークタイムをお楽しみください!どうぞ!」
(うーん、こういう時って男は聞き役になるべきっていうか、ガツガツ話さない方が良いって何かの本に書いてあった!気がする)
「ヨロシクオネガイシマス~。あっ、同い年なんすね!」
「ほんとだ~!なんかちょっと親近感!」
(うわ!敬語で喋ってしまった。タメ口でよかったか・・・)
(てか、出会って1分で「親近感」って、よく言えるな、この子)
(いや、よく見るとこの子普通に可愛くないか???)
(あ、なんか喋らなきゃ・・・!)
●・・・と、会話を楽しむと言うよりも、なんだかちょっと面接気分!
ただ、いったん会話が盛り上がると、意外と順調に進んでいく・・・!
「へー看護師とか大変そう!」
(この子、普通に話おもろい!)
「ほんとに!でも最近は血とか見慣れたかも(笑)」
「はい!それでは終了です!男性の方は次の席に移動してください!」
「ファッ!?早っ!!!!」
●最初に聞かされていなかったのだが、トークタイムはなんとたったの5分!
盛り上がりかけたところで、強制的に遮られ、次の席に移動させられるのだ!
(そう言えば・・・、向こうの話をひたすら聞いただけで、自分の話は全然してないぞ・・・)
●イベントはこんな調子で10人と会話をする。
うかうかしているとあっという間に時間が過ぎそうだ・・・!
「仲良くなりたい女性、男性の番号を記入してください!」
「アタシこういうイベント初めてなんですよ~!」
(その割にはめっちゃ場馴れしてる雰囲気あるけど・・・)
「へ、へぇ~」
「えっ、お笑い好きなんですね!劇場とか行ったりします!?」
「最近はあんまり行ってないけど、昔は」
(この子はむっちゃノリがいいかも・・・!)
●5分という短い時間ながら、なんとなくコツが掴めてきたかもしれない!
5分、インターバルなし、5分、インターバルなし・・・というハイペースだけど、
たとえばこれが倍の10分あったとして、仮に会話が続かなければ、その10分は
きっと1時間より長い!そうなると地獄である。。
「はい、それでは1回目のトークタイムが終了しました!それでは【インプレッションシートに、仲良くなりたい女性、男性の番号を5つ、気になる方から順番に記入】してください!」
(うわ・・・10人喋ったけど、もう何人か忘れかけてる。えーっと、看護師があの子で、大学院生の子がたしかこれで・・・)
(って、これボクを記入してくれる女の子はいるんだろうか)
チラッ
ニヤニヤ ニヤニヤ
(アイツ、むっちゃ楽しそうやんけ!)
●こうして、気になる女性の番号を書いて係の人に渡すと、次のプログラム!
「気になる女性へ、男性の方から行ってください!」
「はい、ただ今からフリートークタイムに入ります!この時間は、【気になる女性の方へ、男性から声を掛けてください!】それでは、よろしくお願いします!」
「えっ?もう開始!?」
(ヤバイ!お茶飲んでたら出遅れた!!)
「・・・。」
(あぁ、あっという間に席が!席が埋まってしまったでござる!)
(むーこの子はさっき番号記入しなかったけど…この子と喋ろう)
「どーもー」
●さっきから、何かと段取りが良すぎるこのイベント!
うかうかしているとすぐ次のプログラムに進んでしまう。。
喋りすぎて口が臭くならないか心配だ!
そしてこのフリートークの最中、司会の女性から紙が配られた。
「先ほどのインプレッションシートを参考にした相性診断解析シートです。ご覧ください」
(・・・うわ!こんな具体的に結果が出るんか!!)
(あー、何人か指名してくれてる。正直ホッとした!!)
(お、お互いに指名しているパターンもある・・・!!)
「・・・。」
(18番の子も紙見てる・・・)
(指名してないのに、喋りに来てゴメン・・・)
(そもそもなんでこのタイミングでこの紙配ったんや・・・)
「それでは!第2回目のフリートークタイムです!」
カップル成立の場合は、封筒に紙が入っています!
「来てくれてありがとー」
「やー、こちらこそ」
「はい!それでは、これでフリートークタイムは終了です!」
「では最後に、最終的に好印象だった女性、男性の番号を3つ記入してください!また、『今後もこの人と連絡を取りたい』という方がいる場合、こちらも最大3人まで連絡先を渡すことが出来ます。同時に記入してください!」
ニヤニヤ ニヤニヤ
●こうして、ドタバタしながらも、あっという間にカップリングパーティは終了。
気に入った人が相手でも合計10分程度しか喋れていないし、すでに何人かは
どういう話をしたかもうろ覚え状態!
印象的な人は必然的に絞られていく気がした。
「本日は、カップリングパーティにご参加いただき、ありがとうございました!【もし、お互いが好印象で指名しあっている場合、カップル成立】です。また、カップルが成立しなくても、あなたが記入した連絡先は相手に届きます。ぜひ、この後も連絡を取って下さい!」
(うーん、カップル成立は難しいにしても、連絡先がひとつも無かったらちょっと凹むな、これ・・・。参加費6,000円もしたし)
「それでは、またのご来場をお待ちしています」
(婚活イベントに何度も来場してたまるか・・・!!)