国内には6,000を越す島々が存在します。それだけたくさん島があれば、中には一風変わった面白い島もちらほら見かけたりします。このシリーズでは、そんな島々の中でも「日本で唯一、●●な島」だけを取り上げて紹介していきたいと思います!話のネタに、島旅の参考にどうぞ!
大東諸島をご存知でしょうか。日ごろの生活ではまず関わりが無いかも知れません。けれど例えば台風が発生したとき、NHKのニュースで「大東島は~」なんて、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
沖縄本島から東へ約300km、他の島々とは少し離れた位置に北大東島、南大東島、いわゆる大東諸島があります。その位置関係からも想像出来ると思いますが、大東諸島は沖縄の中でも、他の島々とは少し違う特殊で珍しい文化があり、島ファンの間ではちょっとした憧れの場所だったりします。これについては、大東諸島の歴史と八丈島からの移民について話さなくてはならないのですが、それはまた別の話。ですが、調べるほどに興味深い要素満載なので、興味を持っていただけると嬉しいです!
そんな大東諸島において、中でもとくに有名なのが、定期船「だいとう」から島への上陸方法!大東諸島では、クレーンに吊るされながらの上陸になります!他の貨物と同じように檻に入り、そのままウィーンと港の方へ。世界的にもあまり類を見ない、珍しいスタイルなのです。
ココに注目!~日本で唯一たるポイント~
■1.大東諸島周辺は海が荒れやすい
大東諸島はどうも海が荒れやすい印象があります。それこそ、波飛沫が激しく舞い上がっているような写真なんかもよく見かけます。沖縄と言えば、どちらかというと海が浅めでエメラルドブルーの美しい海、そしてそんな景色の広がるビーチでのんびり海水浴・・・なんてイメージがあると思います。ただ、大東諸島に限って言えば、そんなイメージは捨ててしまった方が良いかも知れません。
特に周辺海域は海流も早いらしく、海水浴場と呼べそうなものは北大東島の沖縄海くらいです。ダイビングをする人はいないのかと調べてみたところ、南大東島にダイビング業者が一軒ありました。が、そのダイビングショップを紹介するサイトを見てびっくり。
【初心者お断り!】
ここは那覇から370km南東に離れた、太平洋の上にぽっかり浮かんだ島なのだ。孤島=周りには黒潮を遮るものがない=潮がガンガン当たる・・・ つまり、容赦なく流れの速い海である。
流れが変わりやすく、ショップを始めて15年になる小浜さんでも見極めるのはなかなか難しいという。最も速いときで4ノットにもなるとか。とてもじゃないが初心者にはお勧めできない。
・・・とのこと。いやー、「初心者お断り!」のインパクトがスゴイです。なるほど、荒れやすい海の正体は障害無く流れる黒潮だったようです。まさに絶海の孤島ならではですね!
■2.大東諸島は接岸できない
そんな荒れやすい海ですから、それを無視して生活することは出来ません。それについてわかりやすい形で表れているのが、南北の大東両島の港です。
写真などを見ると、港は岩場を削ったような形で整備されていることがわかります。上で述べたように、波が荒いことから、高波を避けるためにこのようなつくりになったそうです。一見すると崖にしか見えないかもしれません。そうすると、船が近くまで来たとして、そんな高い場所へどうやって島に上陸するか・・・。ここから、檻の中に人間を入れて吊るし運ぶ発想に至ったのですね!
とは言え、これは定期船「だいとう」が就航してからの話。大東諸島の歴史は浅いですが、1900年頃、八丈島より移民が訪れ、島の歴史が始まったと言われています。このころは港が整備されてるわけではなく、船だって今ほど上等なつくりではないと思うのですが、どうだったのでしょうか。
■3.しかも定期船の本数は少ないし不安定
海が荒れやすかったり、港が高かったり、何かとハードルが高い印象の大東諸島両島ですが、それでもクレーン移動に憧れる人は多く、なんとか都合をつけて船に乗ってやろうと企みたくなるものです。しかし、そんな我々を泣かせてくれるのが、この定期船「だいとう」の、「本数の少なさ」と「就航率の不安定さ」ではないでしょうか。
この定期船を運航する大東海運のホームページを見てみると、運航予定が掲載されています。だいたい4~5日に一往復というかたちで、那覇の泊港(もしくは新港)から南北の大東島両島を結んでいることが分かるかと思います。
ただ、見てわかるように「毎週●曜日▲▲島■■港出港」と決まっているわけではありません。定期船ではありますが、細かなところまで定まっているわけではないのです。また、発着時刻に関しても海況しだいでころころ変わってしまいます。あくまで「だいとう」は旅客船ではなく、貨客船です。人の輸送よりも貨物が優先されてしまうのは仕方ありません。僕自身、この船の気まぐれに泣かされ、大東行きを断念したこともありました。
さて、ここまでクレーンについて熱く述べておきつつ、こんなことを言うのもなんですが、【南北の大東島両島へは、那覇空港からの飛行機で行くことが可能】です。ほとんどの人がそちらのスタイルを取っているようです。そりゃあ、船だと時間が読めませんし、長期の休暇でもなければ、船に乗るのはリスクが高すぎるでしょうね。飛行機が安定しているぶん、船は使い勝手が良いとは言えないのが正直なところです。
でも、だからこそ乗ってみたいし、燃えるんですよねぇ。
◆日本一短い空路も!◆
南北の大東島両島から成る大東諸島ですが、この両島は10kmしか離れていません。
実は、この短い距離に飛行機が飛んでいたりするのです!船は4~5日に一往復
ですし、両島に橋が架かっているわけでもないですし、飛行機が大事な存在にな
るのです。
フライト時間は15分とされていますが、正味の時間は3~4分!これはこれで
乗ってみたいところ・・・!!
大東諸島
北大東島、南大東島はここ。那覇からもけっこう離れているんです。
定期船「だいとう」を運航する大東海運株式会社のホームページです!