3月11日の光景。蛤浜に誕生した一番素敵なカフェ

「いつかこの場所をカフェにしたいね」。

東日本大震災で亡くされた奥さまと語り合われてきた夢。宮城県水産高校教諭の亀山貴一(たかかず)さんの「やくそく」が、たくさんの仲間たちの協力もあって、かたちになりました。

2013年3月11日。この日にオープンした世界で一番素敵な場所をご案内します。

窓の外には蛤浜の青い海が見渡せます。海の左から日がのぼり、右の半島の方へ日が沈んでいくロケーションです。

日差しがあたたかな縁側の席もおすすめです。

碁盤がそのままテーブルという席もあります。もちろん、実際に碁を打ってもかまいません。

お昼の時間なのでおすすめメニューの「手づくりパンプレート」を注文しました。パンは毎朝はまぐり堂で焼かれたもの。右がプレーン。左はのりパンです。

プレートにはベーコン、ピクルス、キッシュなど手作りの品々が並びます。野菜は石巻近郊で収穫された新鮮なものが基本です。

海が見える席でいただくと、こんな感じです。

しっかり海苔の風味がするのりパン。生地にも海苔が練り込まれていました。絶品です。

食後のコーヒーの付け合せも、はまぐり堂ならではのデザインです。

ねっ。

お店の家具や調度には、奥さまが好きだった骨董品のテイストがいかされています。アジアンテイストなランプシェードと明るい天窓。あたたかくて透明感のある空気を感じます。

亀山先生のひいお祖父さまは大工仕事が得意で、浜の家々の普請も手掛けたほどなのだとか。築100年の建物の随所に、ひいお祖父さまの仕事の跡が残されています。家そのものがアンティークなのです。

奥さまが集められたアンティーク家具と相まって、とくべつな空気感がかもしだされています。その空気感を言葉にするなら、

「たいせつにしたい気もち」

海が見える窓辺に置かれたこの道具は、航海に欠かせない道具だった六分儀。亀山先生が勤務される宮城県水産高校から寄贈されたそうです。

品物も、家も、そこにある思いも、食事も、空も、海も。

たいせつにしたい気もちになれる場所、cafeはまぐり堂。

海を見渡せるデッキも素敵です。これから時間をかけて、ゲストハウス、レストラン、キャンプ場などを整備していく予定です。

おしゃれなカフェ。そして、子どもたちの歓声が谷と海に響き渡る場所。

ぜひ、お越しください。

たいせつにしたい、やさしい気もちになれるこの場所から、地域再生の新しい物語がはじまります。

●TEXT+PHOTO:井上良太(株式会社ジェーピーツーワン)