ロンドンオリンピックで銀メダルに輝いた『なでしこジャパン』。U-20女子ワールドカップで銅メダルを獲得した『ヤングなでしこ』。女子サッカー界が大きな注目を集めている今、更に一つ下の世代に『リトルなでしこ』と呼ばれる17歳以下の日本代表の存在があります。今回はU-17女子ワールドカップで活躍した右サイドバックの小島美玖選手のプレーの魅力に迫ります。
【小島 美玖】 こじま・みく
生年月日:1996年8月30日
身長:161cm 体重:51kg
所属チーム:JFAアカデミー福島
ポジション:DF
4バックの要となる右サイドバックの役割
現代サッカーにおいて攻守の要となるのがサイドバックというポジションです。サイドバックが高い位置を取ることでチーム全体がコンパクトに収まり、サイド攻撃の厚みが増すと同時に、相手のサイドアタッカーが自陣に押し込まれて上がりにくいという守備のメリットがあります。リトルなでしこでは左サイドバックの清水梨紗が敵陣まで飛び出す攻撃的な役割を担い、右サイドバックの小島美玖が自陣に留まって攻守のバランスを取る守備的な役割を担います。
守備時は4バックのラインディフェンスが綺麗に並びますが、攻撃時は左サイドの清水がMFに近い位置まで上がるので3バックに近い状態になります。 1対1のマーキングとカバーリング能力に優れる小島美玖は、守備では右ストッパーのような役割でサイドラインをシャットアウトし、攻撃では右サイドハーフの井上絢香を後方から巧みにサポートしています。
目標とする選手はブラジル代表のカカ
ボディコンタクトの強さとアジリティの高さは随一の能力を持つ小島美玖。準々決勝のガーナ戦ではフィジカルの強いアフリカ系の選手にも当たり負けする場面はありませんでした。右MFは井上や籾木などサイドアタックを得意とするドリブラーが多いので、オーバーラップする機会は多くありませんが、好機と見ればワンツーを使ったコンビネーションで果敢に前に飛び出すプレーも見られました。
目標とする選手はブラジル代表MFのカカであると語っています。「強靭なフィジカルと優れたテクニックを持ち、クレバー選手だから」というのが理由です。カカは強烈なサイドアタックを武器とする攻撃的MFですが、守備力にも優れるユーティリティプレーヤーです。小島のクレバーなポジショニングとタイトなディフェンス、フィジカルの強さはカカに通じるものがあります。
総括
守備力はA代表の近賀ゆかりに匹敵する力があり、攻守のバランスに優れたクレバーなサイドバックです。スピードと運動量を生かしてサイドアタックに磨きをかければ、なでしこジャパンで通用するDFに成長すると思います。緊急時はセンターバックとしても起用できるユーティリティ性の高さも魅力です。今後、更なる成長に期待したいと思います。