島の役場が・・・
別の市にある。
もちろん全ての島の役場がそういうわけではありません。しかし、諸々の事情で役場が町村の区域外に置かれている場合があります。そういった事情を持つ役場は国内で3つ。もちろん、ここで取り上げているからには3つとも島がらみです。
1.鹿児島県三島村(地図)
竹島、硫黄島、黒島の有人島と、新硫黄島、デン島の無人島から成り立ちます。元々は下のトカラ列島と共に十島村でした。しかし太平洋戦争後、トカラ列島が一時アメリカの占領下に置かれたことで、3島は切り離されます。当時の十島村役場は占領下となった中之島にあったため、仮の役場を鹿児島市内に設ける措置を取りました。しかし、結果的に残った3島で村政を取ることとなり、役場機能を鹿児島市内に残したまま三島村となっています。
2.鹿児島県十島村(地図)
いわゆるトカラ列島。口之島、中之島、諏訪之瀬島、悪石島、平島、子宝島、宝島の有人島7島に無人島を含んで形成されます。元々はこの有人島7島に、三島村の竹島、硫黄島、黒島の有人島3島を加えた10島がまとめて十島村。その際は中心的機能を持っている中之島に十島村役場が設けられていました。ところがトカラ列島7島が1952年に返還されたころには、上述のように、三島村が発足。既に三島村は単独での行政機能が確立されていのです。結果、再統合することなく、有人島7島で十島村となりました。アメリカの占領以前は中之島に役場が置かれていましたが、行政運営の効率が良くなっていた三島村にならい、鹿児島市に村役場を置くことになったそうです。
3.沖縄県竹富町(地図)
西表島、竹富島、小浜島、黒島、波照間島、鳩間島、新城島、由布島・・・、実に町内に8島もの有人島を抱える竹富町。しかし、その8島を相互に行き来する船は少なく、基本的に全ての島へのアクセスが石垣島(石垣市)を起点にしています。これについては様々な議論がかわされましたが、結果的には1938年に村役場が石垣島へ移転することで落ち着きました。(元々は竹富島にあった)行政機能が石垣島へ落ち着いた今でも、その是非が問われています。
日本ではこの3町村のみで見られるこの措置。それぞれの移転先である鹿児島市と石垣市も、交通面で拠点となる市ですので、何かと便利なようです。 しかし、一方で役場職員は区域外に住むため、税金は鹿児島市、石垣市にそれぞれ納めます。そのため3町村に税金が入らないといった問題もあるとか。さらには区域内で行われる選挙権もありません。
このあたりの問題、ややこしいのは言うまでもないですが、どうもすっきりしないですね・・・。島はいろいろ大変です。