いよいよ、ロンドンオリンピックの開催日が近づいてきましたね。夏季オリンピックとしては第30回目となる記念の大会です。各国の代表選手がどのような活躍を見せるのか、想像するだけでも楽しいですね!今大会で注目度の高い選手を紹介するこの企画。今回は日本女子サッカー五輪代表、高瀬愛実選手をクローズアップしてみたいと思います。
【高瀬愛実】たかせ・めぐみ
生年月日:1990年11月10日(21歳)
出身地:北海道北見市
身長:164cm
在籍チーム:INAC神戸レオネッサ
ポジション:FW
背番号:11
生粋のセンターフォワード
高瀬選手のプレースタイルはセンターフォワードという言葉の形容がピタリと当てはまるでしょう。164cm・60kgという数値にも表れていますが、重心が低く体幹の太い屈強な体型をしており、フィジカルコンタクトに優れた選手です。同じフォワードでも川澄選手や大野選手のようにスピードを生かしてあらゆるエリアに進出していくムービングフォワードではなく、ペナルティエリア内にどっしりと構えて前線のターゲットプレーヤーとなる存在です。
前線で攻撃の起点となるプレーを得意とし、ディフェンダーに囲まれても相手を背負いながらボールキープする高い技術を備えています。少々のタックルでは体勢を崩さない強靭なフィジカルも持ち、味方のオーバーラップを引き出す時間を作れる選手です。現在、大儀見(旧姓・永里)選手がレギュラーとしてセンターフォワードを任されていますが、彼女が出場できない試合は、高瀬選手が先発する可能性も十分にあり得ると思います。
ペナルティエリアで真価を発揮する
高瀬選手は代表チームの事情から、本職のフォワードだけでなくサイドハーフやボランチでプレーする機会も増えています。運動量も豊富で、足元の技術にも優れていることから、複数のポジションを無難にこなしていますが、そのポテンシャルを十分に発揮できているとは思えません。高瀬選手が真価を発揮する場所はペナルティリアであり、ゴールに近ければ近いほどディフェンスにとって怖い存在になるからです。
なでしこジャパンのオフェンス陣は、バイタルエリアから自ら突破をしかけてディフェンスを切り崩すプレーを得意とするムービングタイプのプレーヤーが多いのが特徴です。それに比べると高瀬選手はゴール前のポジショニングで勝負するタイプ。ディフェンスとの駆け引きから裏に飛び出してフリーになる動きや、センタリング対してニアサイドで潰れ役となって味方にシュートを打たすプレー、ゴール前に放りこまれたロングボールに対し、空中戦での競り合いからセカンドボールを生み出して、味方の二次攻撃に繋げるプレーなど、身体を張ったポストプレーで決定機を作ります。
ストライカーとしてのシュートセンス
ペナルティエリアを主戦場とする高瀬選手は鋭い得点感覚を持っており、多彩なシュートパターンでゴールに迫ります。ディフェンスが密集するペナルティエリアは時間とスペースが限られており、シュートに対する判断力の速さが求められます。高瀬選手はダイレクトシュートが上手く、相手がシュートコースを消す前にシュートを打つ速さを持っています。
クロスボールに対するダイビングヘッドやボレーシュートなどアクロバティックなシュートも得意としており、シュートのアイデアが豊富です。一瞬のスピードで体を反転しながらのスライディングシュート、意外性のあるタイミングで打つ強烈なミドルシュート、ディフェンスを背負った状態からのヒールシュートなど、どんな局面でもどんな体勢からもシュートに持っていける怖さを持ったストライカーです。
総括
今年2月に開催されたアルガルベカップ予選リーグでは、優勝候補のアメリカに対して試合終了間際の後半38分にコーナーキックからヘディングシュートを決めて決勝点を奪うなど、ここ一番での勝負強さも光る高瀬選手。オリンピック本番ではスーパーサブとしてゴールを奪う役割を期待されると思います。ペナルティエリア内で得点嗅覚を発揮して値千金のゴールを決めて欲しいです!