競技人口増加!女子プロ野球ユースチームが発足

  河川敷や公園、学校のグラウンドなど・・・。休日ともなれば、小学生から大人まで野球に興じている姿を見ることが出来る。筆者もその一人だった。たとえば、その中に女子が一人でもいたら珍しい。どうしても野球は男子のスポーツというイメージは大きいだろう。そんな中、中学1年から高校3年までの女子を対象とした、女子プロ野球チームのユースチームが発足したのはご存じだろうか。2012年4月より「ピュアエンジェル」というチーム名で活動を開始している。

 元々女子野球の裾野は極端に狭く、小・中学校で野球に触れていたとしても、進学先に合わせ、競技そのものをやめてしまうか、ソフトボールに転向するのが常だった。しかし、そんな中でもマネージャーとしての参加、公式戦に出られないと知っていながら男子に混じってプレーする者も何人か話題になったりする。それでも、それはほんのひと握りであり、競技人口は2011年11月の時点で硬式野球で800人(軟式も含めると約3000人)と言われていた。とは言え、女子プロ野球発足前の2009年時点では、競技人口は硬式野球で600人と言われていたのだから、この3年で25%増、200人増加したことになる。規模こそ大きくないものの、女子プロ野球が競技人口の増加に作用したと言っていいだろう。 その受け皿となっているのは、主に高校・大学の女子硬式野球部だ。特に女子硬式野球部を持つ高校は全国に私学6校(東京・埼玉各2校、京都・鹿児島各1校)のみながら、越境入学し、野球を志す生徒もいたほどだ。2012年よりさらに3校から創部され、女子野球部員の裾野は広がっていってると見ていい。

 その時を同じくして、立ち上がったのが女子プロ野球ユースチームだ。単純に計算すれば、全国に6校あった女子硬式野球の受け皿が、2012年4月より高校3校とユースチーム1チーム増加することになる。裾野、選択肢の増加は歓迎されるべき点だが、その中で各高校とユースチームがどのように差別化を図っていくかが気になるところだ。 女子プロ野球機構が掲示するユースチームの方針は以下の通り

野球を通じた健全な心身の育成と、女子野球の普及復興に寄与する事を目的とし、将来は女子プロ野球選手や、日本代表選手として活躍できる選手の育成を目指します。

とある。活動予定を参照したところ、男子中学生や、高校女子硬式野球部との試合も組まれているが、特に他のチームと比較して高いチーム力を備えている印象は薄い。しかしながら、女子プロ野球発足後、女子野球の営みが加速していることだけは間違いない。今後の進化に注目したい。

    (女子プロ野球ユースチーム練習風景・京都わかさスタジアム)

◇参考ページ◇

 (公式HP)

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