自宅でのラーメン作り - 家系(製麺編)

はじめに

私の趣味はラーメンの食べ歩きです。
生活圏で、旅行先で、様々な機会でラーメン屋を見つけては、一人であるいは家族で、または友人知人とラーメンを楽しんできました。
このように食べ歩きを楽しんでいると、自然と自分でも作ってみたくなるものです。
Webで調べたり、店内の観察で見知った情報のみで、自分の食べたいラーメン作りを試行錯誤してきました。

今回は横浜家系ラーメンインスパイアのものを作ります。
私がラーメンにハマったきっかけの店がこの家系であり、非常に思い入れが深いラーメンです。
ちなみに私のアカウント名はこの家系から取りました。

コンセプトとしては、
・なるべくお金をかけず
・自分の居住圏(静岡県)で入手しやすく
・可能な限り簡単に
・おいしい
を目指して作っていきます。

製麺の材料

材料

4人前
・強力粉 500g
・塩 5g~7g (小麦重さの1%(冬)~1.5%(夏))
・かんすい 6g (小麦の重さの1.2%)

家系ラーメン用にコシの強い中太麺を作っていきます。
家二郎のときと同様に、日清の強力粉:カメリヤを使います。
加水率などは粉によって必要な数値が異なると思いますので、以後の数値は、カメリヤ用の数値ということでご了承ください。

塩は生地を引き締めてグルテンを強化するために入れるものと考えています。
気温が高くなると生地がダレやすくなるため、夏場は多めに入れる必要があるそうです。

かんすい-いわゆる炭酸ナトリウムは、小麦粉に弾力性と、中華麺独特の風味・色合いを出させます。
これは普通のスーパーでは売っていなかったので、通販で取り寄せました。
値段も高くなく、実際に使う量もわずかのため一度購入すれば相当な回数の製麺に使えます。

小麦粉を500g
そこに塩を7g(夏場の量)とかんすいを6g追加します。
塩とかんすいは、水に溶かすよりも小麦に溶かしたほうが混ざりやすい気がします。
特にかんすいは、水に溶かすと結晶化してしまい溶けなくなるため粉に混ぜます。

水は185g。小麦粉の量に対する37%です。
このあたりの加水率が、硬いですが打粉せずともくっつきにくく、非常に扱いやすい加水率という印象です。

生地作り

計量した水と粉を、ボウルの中で菜箸でゆっくりと混ぜていきます。
次第に粉がまとまってそぼろ状になっていくので、全ての粉に水を吸わせるようにまとめていきます。
ちなみに手でやったほうがまとめやすそうですが、生地が手にまとわりついて作業効率が良くないので箸を使っています。

ボウルの中で生地をまとめ、ビニール袋に詰めます。
袋の上から練り固めて球状にしたら、しばらく寝かせます。
生地の中の水分をよく浸透させ、よりこねやすくするためらしいです。
どれくらい寝かせるべきかはなんともわからないですが、15〜30分位寝かせています。

寝かせている間にパスタマシンを用意します。

パスタマシン

パスタマシンで製麺を行っていきます。
私の使用しているものは、マルカート社のアトラス150という機械です。
かなり一般的なものだと思います。

標準で付属しているパスタカッターは
・タリオリーニ (カット幅1.5mm)
・フィットチーネ (幅6mm)
のデュアルカッターでした。
この幅ですと必要な中太麺が作れないので、今回使用するカッターは別売りの
・スパゲッティ (幅2mm) を使用します。

作業台にラップを敷いて、固定金具でガッチリと取り付けます。

生地の伸ばしと裁断

寝かした生地をよくこねます。
踏んで伸ばしたり畳んだりを繰り返して生地にコシを出していきます。
小麦粉と水と一緒に捏ねることにより、たんぱく質、グリアジンとグルテニンが水と一緒になってグルテンとなるそうです。
グルテンが多いほど硬くしっかりとした生地になります。
強力粉を選択したのも、このグルテンの成分を大量に含んでいるからです。

こねた生地を4つか5つに分割します。
これから分割した生地ごとに、伸ばしと裁断を繰り返していきます。

このパスタマシンはローラー間の幅をダイヤル調整して、段々と薄く引き伸ばしていきます。
最初はダイヤル0(最厚)から初めて、今回はダイヤル5の厚さまで引き伸ばしていきます。
ちなみにこの機械で最も薄い設定はダイヤル9です。

加水率37%の生地はなかなかの硬さですが、くっつきにくく製麺しやすい良い生地になります。
生地を重ねて伸ばすことで、複合圧延といってグルテンの構造がより強くなるそうです。
とにかく頑張って伸ばしていきます。

ダイヤル5まで伸ばすと、生地は結構な長さになってくるので半分にカットします。
カッターにセットして裁断します。

中華麺を裁断した直後何が重要かというと、麺同士がくっつかないようにすることです。
加水率が高いと裁断後の麺は容易にくっついてしまい、茹でても殆どはくっついたままです。
麺は太ければ太いほど茹で時間が必要になるため、全体を均一に茹で上がることができなくなり製麺は失敗となります。
このように、裁断した麺の保管も本当に難しい工程と感じます。
打粉(小麦粉や片栗粉)して保管する方法が一般的なようですが、それでも加水率によっては全てくっついてしまったこともあります。

今回の加水率の麺では打粉しておけば麺同士がくっつくことはほとんどありませんが、リスクを下げる目的で干します。
数時間干したら回収しておきます。

茹でる

茹でます。
ポイントは、たっぷりの湯量とちゃんと沸騰した熱湯に投入することです。
麺の余計な塩分を充分に抜くことと、たっぷりの湯の中で麺がくっつかないようにする目的です。
麺を投入したら、ゆっくりと良く混ぜます。
干したときに麺が多少くっついていても、ここでバラバラになります。
また乾燥パスタなどと違い手打ち麺は茹で中に鍋底に非常にくっつきやすいため、定期的によく混ぜることが大切です。

厚さダイヤル5、幅2mm の麺は、湯で時間5分です。

茹で上がったらざるに取ります。
茹で汁のぬめりを取るため、水で軽く洗います。

これで完成です。
スープに投入してください。

製麺編は以上です。
次はスープ編となります。