これまでにご紹介してきた「自閉症を持つ人の感覚過敏」というレベルまで行くのかどうかはともかく、ウチの子は「爪切り」をすごく嫌がります(実際に爪を切ることが「痛い」と感じる子もいるそうです)。
もっと小さい頃は嫌がりながらもなんとか切らせてくれたのに、手の指に関してはここ1年以上まったく切らせてくれません。たぶん「指を1本ずつ持たれる」のがイヤなんだと思います。
爪が伸びていると衛生上よくないのはもちろんですし、娘は機嫌が悪くなると指先にぎゅっと力を込めてしがみついてくるため、結果として「人を爪で引っかく」ことになります。これが困ります。
チョキキからゴシシへ
小さい頃から使ってきたのはハサミタイプの赤ちゃん用爪切りです。爪を切らせてくれた頃はわたしの声をマネして「チョキキ~チョキキ~♪」なんて言ってくれたりもしたのに、いまは断然拒否。
なので、最近はもっぱらその爪切りカバーについている「やすり」を使ってひたすら爪を削っていきます。その時わたしは「ゴシシ~ゴシシ~♪」と声をかけるので、娘がマネしてしゃべるのもすっかり「ゴシシ~♪」の方になってしまいました。
ゴシシもイヤ
でも最近はそのゴシシも嫌がるのです。娘は右手にしろ左手にしろやすりを見せるとなぜかチャーリー浜師匠・ポール牧師匠のように小指だけをぴよっと立てて差し出してくれます。
なので「もう小指はええっちゅうねん」というミニコントが恒例になっているのですが、そのあとは調子がいい時でもなんとかたどりつけるのは薬指、中指まで。人差し指はかなりの確率で、親指の爪はほぼ100%削らせてくれません。
それ以上無理して削ろうとしても怒るだけなので「時を待つ」しかない(実際「なぜきょうは削らせてくれるんだろう」という奇跡の日がごくたま~にある)のですが、機嫌がよくても爪を削らせてくれるかは別問題なので、いつまでも「待ちの姿勢」ではいられません。少しでも効率の良い削り方を追求しなければ。
大人用、介護用
試しに一度の動作でたくさんの距離を使って爪を削れる大人用の長い爪やすりを使ってみました。しかし娘の小さい爪にその長さはあまり意味をなさないことがわかりました。
また娘は(小指以外)指1本を立てるということをしてくれないため、この長いやすりは隣の指に当たって邪魔になってしまいます。あと、チャンスにパッと取り出せるようポケットに入れておくことができないのも娘の爪用としては欠点です。
介護用の電動爪やすりも検討してみましたが、価格が高いことと、娘が振動や音をイヤがるのではないかと予測できるのが難点。高価なものを試す勇気はありません。
それは貝印
機嫌が非常に悪く、何度試しても爪を削らせてくれなかった3連休の最終日。大人用のやすりは長すぎるけどこれまで使っていたやすりはいくらなんでも小さすぎる(すぐ行方不明になる)ということで、とりあえずセブンイレブンで売っているふつうの爪切りを買ってみました(そういえばこのタイプの爪切りが家になかった)。
伸びた爪でこの連休中にもたくさん引っかかれていますし、あしたは学校。もう後がありません。でも家に着いてから何回もこのセブンで買ったつめ切りのやすりで「ゴシシ~しようよ~♪」と近づいて指を取ろうとしたものの、やっぱりダメでした。
そこで今回新しく試したのは「寝ている時に削ってみよう」ということです。そういえばこれまで「朝なかなか起きない時」に試したことはありました(成功率はかなり低い)が、「夜、寝息を立てて熟睡している時」は起こすとかわいそうと思って試したことがなかったからです。
希望の光が
結果は「大成功」でした。やすりの大きさは小さすぎず邪魔にもならずでちょうど良し。さらにいいのは金属製の爪切りに付属しているやすりであるという「重さ」でした。軽いやすりのようにしっかり握って力を込めなくてもその重みを利用してシャシャッと爪が削れます。
娘が起きる気配も全然ありませんでした。娘が寝付いたあとだけが唯一ほっとできる時間であるためすぐに晩酌をしたくなるのですが、これからはちょっと時間が経ったあと娘のようすを見に行って定期的に爪削りタイムを設定しなければいけませんね(^_^;)
作って育てて摘む(なよ)
わたしの首筋や腕には引っかかれたあとの「かさぶた」が常にどこかにあります。娘はなにかの拍子でかさぶたの存在に気づくと
「なにこれ面白いじゃん♪」
みたいな表情で、かさぶたに爪を引っかけてはがそうとするのです。なんという性格の悪さでしょう(^_^;)
それはまさに「自分が引っかいて作ったかさぶたを後日自分でイジって楽しむ」という「悪の自給自足」。これを壊滅できるよう、パニック予防、こまめな爪の手入れを心がけていきます。
足の指に関する娘の反応はちょっと違うので、また別の機会に書きますね(*^-^*)。