【今週の一冊】[図解]戦国10大合戦の大ウソ_森田善明

騎馬隊がなかった長篠の戦い!

武田勝頼 VS 織田信長の戦い「長篠の戦い」。
この戦いで有名なのが、武田軍の騎馬隊を織田軍の鉄砲隊が打ち破ったということですが、この騎馬隊が存在しなかったというから驚きです。

戦国時代は騎乗したまま戦うと敵の歩兵の餌食になったり、弓や鉄砲の的になりやすいため、戦闘の時は上級武士以外は馬から降りて戦ったそうです。

また、戦国時代の馬はポニーほどの大きさだったそうで、甲冑をまとった想定体重60㎏の武士をのせて疾走を続けることは難しかっただろうとのことでした。

戦闘時は馬から下りて、馬は「馬備(うまぞなえ)」という自軍後方の囲いに入れられたそうです。

馬に乗っていたのは指揮をとる上級武士だけだったそうです。その理由は部隊を指揮しやすいからということでした。

では、なぜ騎馬隊で戦ったことになっているかというと、江戸時代初期の歴史作家・小瀬甫庵(おぜほあん)の書いた小説「甫庵信長記(ほあんしんちょうき)」でそのように書かれていたからなのだそうです。

この本が普及して、後世の学者にも信じられてしまったために、騎馬隊で戦ったと伝わっていますが、そもそもこの本が歴史書ではなく創作された歴史小説だったので、鵜呑みにしてはいけなかったようです。

もう騎馬戦をテレビで見ても、素直に見れなくなりそうです・・・。

教科書で習った歴史が実は違うというのがとても面白い本です。