追悼と慰霊のための連凧に、ふだんは立入禁止のエリアに足を踏み入れる。凧を揚げるために訪れた人、メディアの人の他に、濃紺のユニフォームを身に着けた一団が目を引いた。
彼らは大船渡警察署の警察官たち。かつて、高田松原と背後の市街地の間に位置していた汽水湖の古川沼で、震災から7年となるこの日も行方不明者の捜索が行われた。背後のビルは震災遺構の下宿定住促進住宅跡。
14時30分頃になると、濃紺のユニフォームが海岸線に集まってくる。
そして整列。
彼らがヘルメットを外して海に向かって直立した約10秒後、陸前高田にサイレンが響き渡った。2018年3月11日午後2時46分、黙祷。
連凧の人たちは防潮堤の上に並んで、やはり海に向かって黙祷した。
空は晴れ、光に満ちていたが、風は強く、酷く冷たかった。
まだ見つかっていない人を早く家族の元に返したいと、震災後捜索を続けてきた人たちに頭が下がる。私は見てきたことを、ただこうして書くしかない。