日本発のピクトグラム

この言葉がどんな意味か分かりますか?

『SORTIE』(フランス語)
『SALIDA』(スペイン語)
『USCITA』(イタリア語)
『uscita di sicurezza』(イタリア語)
『NOTAUSGANG』(ドイツ語)

英語だと『EXIT』と書かれています。

これらは、非常口を意味する言葉です。

しかし、これではいざという時に分からないですよね。そこで視覚的に情報を伝えることができるのが『ピクトグラム』です。

ピクトグラム(英語: pictogram)あるいはピクトグラフ(英語: pictograph)とは、一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つである。地と図に明度差のある2色を用いて、表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられる。

引用元:Wikipedia

あの有名なピクトグラムのできたきっかけ

誰もが知っている超有名なピクトグラムというと・・・

赤い炎の中で、補色の緑色が引き立ちます

この非常口マークです。

1982年3月31日以前、避難誘導標識に使用されていた「非常口」文字には下記問題があったそうです。

・薄い煙の中でも見えなくなる
・漢字を読めない子供や外国人に分からない

そこで、1978年にピクトグラムを一般公募し、そこで選ばれた小谷松敏文氏の作品を太田幸夫氏が改良して、この緑の非常口マークのデザインが作られました。

日本の非常口マークが世界のピクトグラムに!

この非常口マークを世界のピクトグラムにするため、ISO(国際標準化機構)に提出しますが、ISOではすでに非常口の原案が作成されておりました。

誘導灯の歴史 「黎明期から現在まで」(http://www.jlma.or.jp/anzen/pdf/rekisi_yudou.pdf)

上の2つのマークを見ると、日本のマークのほうがシンプルでインパクトがあるように感じます。

実際に照明実験、煙の中での見え方テストなどを行い、ISO案よりも結果が良かった事が判明し、紆余曲折を経て1987年に国際規格ISOに選ばれることになりました。

しかし、アメリカでは現在も『EXIT』の文字だけの避難誘導標識を使っているようです。

お国柄かもしれませんが、英語が読めない人への配慮はないようです・・・。
非常口マークは日本が生んだ世界のピクトグラムとして、現在まで使用されています。

当たり前に見ていたマークに、実はこんな背景があったなんて知りませんでした。

日本発のピクトグラムに、なんだかとても誇らしい気持ちになります。