大船渡市の盛駅は2013年に朝ドラのモチーフになった三陸鉄道の南の起点。この駅から釜石までを三陸鉄道南リアス線がつないでいる。
三陸鉄道は岩手県沿岸部の人たちの熱望によってつくられた第三セクターの鉄道線路。国鉄の赤字問題と開業時期とが重なったため、沿岸部の鉄道は盛・釜石間の南リアス線と、宮古・久慈間の北リアス線の三陸鉄道路線に、釜石・宮古間のJR山田線が挟まれるという変則的な形になっている。
岩手県沿岸部の鉄道は津波との関わりが深い。鉄道の建設計画自体が明治の三陸大津波の被害を受けてたてられたものだった。東日本大震災でも沿線のほとんどが大きな被害を受けた。
それでも震災から2年で南リアス線、北リアス線ともに全線での営業再開をはたした。震災以前には慢性的な赤字が続いていたが、こたつ列車や震災学習列車などの企画列車やキャンペーンなどの営業努力、そして朝ドラの舞台になったこともあって営業を再建しつつある。JR山田線の釜石・宮古間についても2018年度には三陸鉄道に営業移管されることになっている。
盛から久慈までが三陸鉄道として一本化されることは、明治時代に計画がたてられた当時からの悲願だが、沿線人口の減少や震災の影響で前途を危ぶむ声も少なくない。
三陸鉄道の将来は岩手県沿岸部復興の成否とともにある。