神戸市新長田のシンボル、鉄人28号がリニューアルして再登場。
新長田の鉄人モニュメントは2009年に誕生したが、完成後7年間で塗装の傷みが目立つようになったため、今年10月から約1カ月をかけてお色直ししたのだとか。
再塗装に当たって、ボディカラーは原作に近いコバルトブルーに改められている。
上の写真3点は今年3月に撮影したもの。肘やお尻のあたりにサビも見られた。
高さ約15メートル、原寸大の鉄人は鋼鉄製。お色直しでは鉄人を囲むように足場が設けられ、作業中にはまるで鉄人が檻に閉じ込められたようにも見えたという。(その写真も撮りたかった、残念!)
鉄人モニュメントはアートによる町おこしを進める新長田のシンボル。阪神淡路大震災で大きな被害を受けた後、三宮や元町とは違った町の魅力を模索した結果導き出されたのがアートなのだという。
この日もコバルトブルーに塗り替えられた鉄人にカメラやスマホを向ける人がたくさんいた。集客に貢献しているのは間違いない。しかし、鉄人がある若松公園からまっすぐ伸びる商店街は、必ずしも栄えているようには思えない。鉄人を見に来た人たちをいかに商店街に導くか。
陸前高田の一本松と同様の課題があるように思える。
とはいえ、子どもたちにとって鉄人は時代を超えたヒーローであるらしい。鉄人の足を滑り台にしたり、よじ登ろうとしてみたり。「色を塗り替える前には、腿のあたりにも落書きがあったんだよ」と教えると、少年はどうやって登ったんだろうと思案しながらしきりとジャンプしていた。
鉄人のある若松公園は、年に2回開催される「くつっ子祭り」の会場にもなる。1足1,000円〜3,000円で靴が売り出されるとあって、毎回大盛況なのだとか。
震災からもうすぐ22年。町のにぎわいを取り戻そうとする新長田の人々を、鉄人は今日も見守っている。