6月です。梅雨入りの便りもちらほら聞かれ始めるシーズンです。雨降りだとアウトドアはちょっとね…、なんて言わずに、梅雨ならではの楽しみはいかがでしょ?
というわけで今回ご紹介するのは、山梨県の甘利山。山頂一帯の色がオレンジ色に見えるほどレンゲツツジが咲き乱れることで有名な花の山です。
駐車場から整備された山道を歩いて30分
甘利山は日本有数の高山帯である南アルプスに連なる小ピーク。標高は1,731m。小ピークとはいえ丹沢山地の最高峰蛭ヶ岳の1,673mよりも高く、九州の最高峰(屋久島を除く)九重山1,791mに迫る高みにある山です。
だけどご安心ください。頂上直下には約200台収容の広河原駐車場があり(無料。約200台駐車可能でトイレあり)、少々長めの山道ながら県道を通って駐車場まで行けば、整備された登山道を歩くこと約30分で山頂です。
広々とした山頂にはベンチもあって、晴れていれば甲府盆地の町並みの向こうに富士山が望むことができます。標高がそこそこ高いので、富士山の撮影ポイントとしても人気なんだとか。たとえ雨模様の日でも、ガスが晴れた一瞬、雲海の向こうにそびえる富士山とレンゲツツジをフレームに収めることができたら…なんて考えるとカメラ好きの人はわくわくしちゃうんでしょうね。
山頂一帯を彩るレンゲツツジの開花時期は、ちょうどぴったり梅雨入りの頃に重なります。開花と梅雨がかぶるから残念という人もいますが、雨にかすむ梅雨空だからこそ、幻想的な山上の花の世界を楽しむことができるのです。
甘利山の保全活動を行っている甘利山倶楽部の掲示板によると、2016年のレンゲツツジは5月末から開花が始まっているとのこと。
山に咲くツツジの仲間にはアセビやシャクナゲ、ヤシオツツジなどがありますが、レンゲツツジはその最後に花の盛りを迎えるツツジです。(※注)
つまり、この花が咲けばもう夏もすぐそこ、ということ。花言葉は「あふれる向上心」「情熱」など。梅雨時に元気をもらえそうな花言葉ですね。
霧にかすむ山頂に鮮やかに咲くレンゲツツジの周りには、キンポウゲ(ウマノアシガタ)の可憐な黄色い花やノイチゴの仲間、スミレの仲間などたくさんの小さな花を見つけることもできますよ。
こども連れでも安心して登ることができる甘利山。梅雨のシーズンのアウトドアにおすすめです。
(※注)キバナシャクナゲのように2,500mを超える高山帯に咲くツツジの仲間には夏に咲くものもあります。
甘利山に行く時の注意点
レンゲツツジの時期に甘利山に行く際はレインコートなどの雨具をお忘れなく。標高が高いので天気予報が晴れでも雨が降ることがあります。できればゴアテックスなどの防水透湿性素材のレインウエアが好ましいです。
登山道は整備されていて、案内表示もしっかり設置されていますが、お出かけ前にはガイドブックや地図などで現地の情報をしっかり確認してください。
レンゲツツジは蜜に有毒物質が含まれるそうです。ツツジの蜜を吸うのが好きなお子さんには、蜜を吸わないように注意してください。また、写真で紹介した黄色い花、キンポウゲの仲間には非常に強い毒性がありますので(猛毒のトリカブトもキンポウゲの仲間です)、生えている草を取ったり折ったり舐めたりしないようにしてください。
甘利山山頂
お帰りにサクランボ狩りはいかが?
甘利山にレンゲツツジが満開になる頃は、山麓の南アルプス市などではサクランボの最盛期。サクランボというと「佐藤錦」が有名ですが、山梨県でたくさん栽培されている「高砂」も超美味。その他たくさんの品種のサクランボを栽培している農園もあるので、食べ比べも楽しめますよ。
山梨のサクランボの多くはハウス栽培なので、雨降りの日でもOKです。
こどもと一緒に遊びに行って、梅雨ならではの経験を!
レンゲツツジの開花など甘利山の最新情報はこちらが便利