【シリーズ・この人に聞く!第94回】よりよく生きられる環境を考える バース・セラピスト 志村季世恵さん

――『引き算しながら与える』って素敵な言葉ですね。あれもこれも…っていうのではなく、その子としっかり対峙して何が本当に必要かを考えることですね。では、今の子どもたちが、どんな大人になってほしいと願っていますか?

今の子ども達の多くは大人から守られて育っています。危険なことはしません。チャレンジする喜びも人と関わる喜びも知らない。先日、ダイアログ・イン・ザ・ダークを神戸で開催し、小学4年生の子どもたちに参加してもらいました。その感想の中に「何が一番楽しかったかって、絶対にできないと思っていたことを、やってみればできるんだって分かったこと!それも仲間と一緒に!」という言葉が印象的でした。そういう体験をサポートしていきたいです。暗闇で人と手をつなぎ協力すること。目を使わずにするその体験は五感を研ぎ澄まし、人という存在の温かさを実感することになるのですから。

編集後記

――ありがとうございました!たくさんのエピソードを交え、楽しそうにお話しをしてくださった志村さん。居てくださるだけで場が和む、ふんわりとした空気をまとっていらっしゃいます。そして取り組まれている活動すべてがつながっていらして共感できることばかり。ダイアログ・イン・ザ・ダークに来ると、暗闇にポッと希望の明かりが灯るようなあったかな気持ちになれます。それは決して演出効果だけではなく、ここに集う『人の気』なのだろう…と思わずにはいられません。これからも益々のご活躍をお祈りしております。

取材・文/マザール あべみちこ

活動インフォメーション