今年9月1日のぽたるページでもご紹介しましたが、「防災の日」を迎えるにあたり、防災グッズの見直しを行いました。その際、新たにラインアップに加わったのが「ソーラーチャージャー」です。
ソーラーチャージャーを直訳すると「太陽光充電器」。太陽光パネルに受けた「光」を「電気」に変換し、出力します。同様のものとして、太陽光発電や住宅の屋根に取り付けられているものがありますが、ソーラーチャージャーは持ち運びができるほど小さなものです。
パソコンといった大きな電力や安定供給が求められる機器には使用できませんが、スマートフォンなどの充電には使うことができます。
先日、単三の充電池を使い切ったこともあり、「ソーラーチャージャーで充電池を充電し、その電池でLEDランタンを灯せるか」。実際の災害を想定して試してみました。
単三充電池4本をチャージする
実施したのは11月1日。天気はときおり太陽が雲に隠れるものの、おおむね「晴れ」です。夏場の強烈な光と比べるとやわらかな日差しに「本当に充電できるのだろうか」と少し不安を覚えます。
充電するのは高容量タイプ(min.2,450mAh)の単三ニッケル水素充電池、4本です。チャージを開始する前にLEDランタンに入れて点灯しないことを確認しました。
そして、太陽光パネルを開き、電流の出力コネクターに空の充電池をセットした充電器をつなぎます。出力インターフェースがUSBであるため、充電器はよくあるコンセントにつなぐタイプではなく、USBポートからチャージできるものです。
まず初めに室内での充電を試みました。しかし、充電池の状態を知らせるランプが異常を示してチャージできませんでした。
次にベランダに置いてみます。しかし、同様にランプが点滅して充電することはできません。ソーラーチャージャーを見てみると、ベランダの手すりの影が太陽光パネルに落ちており、半分ほどしか日光があたっていない状態でした。
そこで、今度は手すりの上にのせてパネル全体に太陽光があたるようにしてみました。すると、充電中のランプが点灯。チャージが正常に行われています。
ただ、手すりの上は不安定なために置きっぱなしにすることができません。どこか設置に適した場所はないだろうかと考えた結果、車のダッシュボードの上に置くことにしました。充電池をセットしたソーラーチャージャーを車内に移し、外出しました。
それから時間が経ち、日が落ちて暗くなったころに帰宅。すぐにソーラーチャージャーを取りに行き、部屋に戻って単三充電池4本をLEDランタンにセットします。そして、少しドキドキしながらボタンを押すと・・・
点きました!明るさは同じであるはずなのに、心なしか強く頼もしい光に見えます。
少し不安を感じた秋の太陽光でしたが、充電できていました。
次に、満充電されているかを調べるため、もう一度充電器に電池をセットし、今度はコンセントにつないでみます。
すると充電中のランプが点灯。どうやら充電は100%ではなかったようです。そのまま充電すること40~50分、チャージが完了しました。
説明書を取り出して読んでみると、単三充電池4本を完全に充電するのに必要な時間は約5時間半とありました。充電を始めたのが11時過ぎでしたので、恐らく日が傾き、太陽光が弱くなった15時くらいにチャージされなくなったと思われます。
災害時の活躍が期待できるソーラーチャージャー
今回、満充電はできなかったものの、もう1時間早くチャージを開始していれば、完全に充電ができていたのではないでしょうか。太陽さえ出ていれば、1日で単三電池4本をチャージできそうです。
使用したソーラーチャージャーは14cm×23cmほどの小さな太陽光パネルが3枚あるもので、折りたたむとiPad Airくらいの大きさです。出力はUSBが1ポートで、9W(5V/1.8A)です。
長期のキャンプや登山でも使用できないかと考えて、できるだけ軽量、コンパクトなものを選びましたが、他にもさらに高出力なものや出力用USBポートが2つあるものなど、使用に応じて選ぶことができます。
太陽が出ていなければいけないという制約はあるものの、災害が発生して停電になった際、スマホ・携帯電話やラジオ、懐中電灯などの充電池を充電するのに十分使えそうです。
今回は秋の晴れた日に充電してみましたが、太陽光がさらに弱い冬場や曇り空などの状況下でも実験してみたいと思います。また、充電対象も単三電池だけではなく携帯電話など、ほかのものも試してみたいと思います。
参考WEBサイト
Text & Photo:sKenji