10月23日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1~5号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
6号機 使用済み燃料プールの冷却を4時間22分にわたり停止。計測用電源切り替え操作のため
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系について、計測用電源切替操作のため、10月23日午前10時9分に停止。同点検が終了したことから、同日午後2時31分に同冷却浄化系を起動。運転状態に異常なし。使用済燃料プール水温度は冷却停止時の22.1℃から24.0℃まで上昇したが、運転上の制限値(65℃)に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上の問題はない。
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置RO-2は停止、RO-3は運転中。
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクEから海洋排水を停止。排出量は802トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクEの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月12日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、10月22日午前10時8分に海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時27分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、10月22日午後3時39分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は802m3。
【注目点】前日、「一時貯水タンクFの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月13日]については同等の値であり、運用目標値を満足している」と記載された一時貯水タンクFからの海洋排水は記載されていない。
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
10月22日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/15 10/16 10/17 10/18 10/19 10/20 10/21
E-1 9,500 8,200 6,800 7,000 6,100 5,000 4,200
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/15 10/16 10/17 10/18 10/19 10/20 10/21
G-1 740 2,700 890 3,100 1,300 800 1,300
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/15 10/16 10/17 10/18 10/19 10/20 10/21
G-2 510 510 440 440 470 380 450
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側 3,4号機改修ウェル汲み上げ水でセシウム134、セシウム137、全ベータが過去最高値
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
<過去最高値>3,4号機改修ウェル汲み上げ水
セシウム134:9.4Bq/L(2015.10.22)
これまでの最高値:7.4Bq/L(2015.04.15)
<過去最高値>3,4号機改修ウェル汲み上げ水
セシウム137:40Bq/L(2015.10.22)
これまでの最高値:29Bq/L(2015.04.15)
<過去最高値>3,4号機改修ウェル汲み上げ水
全ベータ:380Bq/L(2015.10.22)
これまでの最高値:170Bq/L(2015.09.30)
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。