2015年7月10日 今日の東電プレスリリース

7月10日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

※ 情報を追加して更新します

1~4号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中

◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月7日午後3時2分~)

※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中

◆3号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
(6月30日には、6月29日午後1時46分SFP代替冷却系を起動と報告されている)
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月9日午前10時19分~)

※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

5号機 ~プール冷却を残留熱除去系から使用済燃料プール冷却系に切り替え

・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
加えて、

※5号機補機冷却海水系ストレーナおよび弁点検を行うため、6月29日から5号機補機冷却海水系を停止していたが、7月10日作業が終了したことから、補機冷却海水系を起動。これに伴い、使用済燃料プール冷却を残留熱除去系(RHR系)による非常時熱負荷運転から使用済燃料プール冷却系(FPC系)に切り替えるため、同日午前11時52分にRHR系による非常時熱負荷運転を停止し、午後0時23分にFPC系を起動。FPC系の運転状態に異常はなく、使用済燃料プール水温度もRHR系停止時の温度(23.3℃)から変化なし。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年7月10日

6号機

新規事項なし

・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置「運転中」

その他の項目に新規事項なし

・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中

地下水バイパス ~排水に関するサンプリング結果(南放水口付近)

「福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果 (南放水口付近)|東京電力 平成27年7月10日」より

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

7月9日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年7月10日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年7月10日

<H4エリア周辺地下水 E-1/E-9の全ベータ濃度>

7/3 7/4 7/5 7/6 7/7 7/8
E-1 1,100 1,700 1,500 1,400 1,700 2,000
E-9 5,500 ー ー 3,600 ー 4,000

※ 単位はBq/L。(ーはデータの発表なし)

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年7月10日

<周辺地下水G-2のトリチウム濃度>
6月23日 悪天候により採取中止
6月24日 1,800Bq/L
6月25日 340Bq/L
6月26日 170Bq/L
6月27日 1,100Bq/L
6月28日 690Bq/L
6月29日 330Bq/L
6月30日 290Bq/L
7月1日 500Bq/L
7月2日 1,300Bq/L
7月3日 470Bq/L
7月4日 300Bq/L
7月5日 980Bq/L
7月6日 310Bq/L
7月7日 320Bq/L
7月8日 200Bq/L

1~4号機タービン建屋東側

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年7月10日