プロ野球歴代助っ人外国人No.1を決める！【その10】

1960年代後半から70年代、パ・リーグは阪急ブレーブスが強かった。
正確に言うと強かったらしいになるのかな。
プロ野球を見始めたのは1980年ころ。阪急にこんな黄金時代があったことはあとから知った。

ジャイアンツがV9、つまり9年連続日本一になったのだが、そのうちの5回は阪急が相手だった。1971年の日本シリーズでの王貞治対山田久志は今でも伝説だ。

黒い帽子に赤で｢H｣の地味な帽子だったが、いつからかとても派手な帽子に変わった。

'64～'68 '71,'72 ダリル・スペンサー
入団1年目から活躍して2年目の'65には戦後初となる3冠王を獲った野村克也と最後までタイトルを争った。
最近でもあることだが、タイトルを獲らせまいと相手ピッチャーはスペンサーとなかなか勝負をしなかった。
いらいらしたスペンサーは敬遠のボールを無理やり打ったり、バットを逆さまに持って打席に入ったりと敬遠策に対して無言の抗議を行った。
当時8打席連続の敬遠（捕手は座ったまま）は日本記録になった。
スペンサーの日本での功績はその後のプロ野球に大きな影響を与えたと言われている。
その時代を知っている人よると助っ人外国人No.1という人も少なくない。

'75～'82 ボビー・マルカーノ【打点王 '78】
自分が野球を見始めたころは阪急の外国人といえばこのマルカーノだ。
子どものころは助っ人外国人はホームランをたくさん打つというイメージだったがマルカーノはそれにあてはまらなかったのは晩年だったからなのかな。
マルカーノはなんとなく平凡に見えた。。
阪急からヤクルトにトレードされ'82に現役引退、その後は読売ジャイアンツのサンチェの通訳などをしていたが'87に帰国。
帰国後の1990年に肺癌のため他界している。39歳だった。

'83～'91 ブーマー・ウェルズ
【ホームラン王 '84 打点王 '84'87'89 首位打者 '84'89】

日本に来るまではほぼ無名選手だった。日本で大成功した1人だろう。
身長2メートル、体重100キロはとにかくでかかった。
'84には外国人初の三冠王を獲得した。
'89には自身2度目の三冠王かと期待された。打点と首位打者の2冠を獲得するがホームランは40本でブライアントの49本に叶わたかった。

1988年7月13日の西武で渡辺久信から打ったホームランは落下地点がわかっているホームランでは最長と言われている。その飛距離は驚きの162メートルだ。

ブーマーというと豪快なホームランのイメージが強いのだが、ただただブンブン振り回すわけではない。だいたいこの手のホームランバッターは年間で100個近い三振をすることが多いのだが、ブーマは違っていた。

三振が少ないとされるイチローと比べてみた。

イチローは3619打数で三振は333個。三振率は.0092
ブーマーは4451打数で三振は333個。三振率は.0074

これはすごい！なんとブーマーはあのイチローよりも三振しないバッターなのだ。
三振しないどころかブーマーは空振りだって滅多見ることができなかった。

そして現役最後の年になる1992年はダイエーでプレーしている。最後ダイエーにいたことも驚いたが97打点で打点王にもなっているのにはホント驚いた。

'86～'87 アニマル・レスリー
この選手は記録よりも記憶。いかつい風貌、そしてとにかく陽気な選手だった。
ブレーブスファンにとって忘れられない選手だろう。
マウンドでのパフォーマンスがとにかくおもしろかった。マウンド上で叫ぶのは当たり前、普通はストッパーの場合、試合に勝ったときピッチャーはキャッチャーと握手をしたりハイタッチをするのが定番だが、なぜかアニマルの喜びの表現はキャッチャーの頭をグラブで何発も叩くことだった。。。けっこう強く叩かれたりしててキャッチャーは大変だったろうな～。

1988年、阪急からオリックスに球団が譲渡されてからは助っ人外国人でいわゆる『当たり』と言われる選手は少ない。
'95～'00までいたトロイ・ニールくらいか。'96にはホームランと打点の2冠王に輝いている。

昔の人に聞くとスペンサーだったりマルカーノだという人もいる。

しかしやはり一番インパクトがあり、『助っ人外国人』って言えばブーマーなんじゃないかな。ブーマーっていう名前は実は本名じゃないんだよね。。

まったくの無名選手が日本に来て三冠王にもなった。2メートルの身体で豪快な一発、それでいて三振も驚くほど少ない。

こんな助っ人外国人は最近ではあまり見ない気がするなぁ～。

つづく

■プロ野球
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