2015年4月24日 今日の東電プレスリリース

4月24日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

高性能容器(HIC)の蓋付近に高濃度のたまり水があった件の続報。さらに1基のHICに水溜まりを発見

※4月23日2基のHIC蓋外周部に吸着マットを置く作業を実施した際、新たに1基のHIC蓋外周部に水溜まりを確認。

【水溜まりを確認したHIC】      【製造番号】
・AL5ボックスカルバート内HIC → PO646393-180(水溜まり)

引き続き、現場調査を継続するとともに、原因究明を行う。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月24日

1号機

新規事項なし

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※ タービン建屋地下の滞留水移送は停止中

2号機 ~タービン建屋の高濃度滞留水、移送先を切り替え(移送先は3号機タービン建屋地下)

1号機の4項目と同じ記載に加え、

・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年4月20日午前11時42分~4月24日午前10時9分)
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(2015年4月24日午前10時56分~)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月24日

※滞留水移送はいったん停止後、移送先を変更して実施

3号機 ~タービン建屋の高濃度滞留水、移送先を切り替え(移送先はプロセス主建屋)

1号機の4項目と同じ記載に加え、

・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年4月20日午前11時38分~4月24日午前10時16分)
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年4月24日午前11時12分~)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月24日

4号機~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・原子炉から使用済燃料プールへ燃料移動中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備 〜セシウム吸着装置「停止中」

その他の項目に新規事項なし

・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中

地下水バイパス ~通算60回目となる海洋への排出を終了。排出量は1,431トン

4月23日午前10時13分、海洋への排水を開始。同日午前10時16分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

同日午後3時54分に排水を停止。排水停止状態に異常のないことを確認。排水量は1,431m3。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月24日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

4月23日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月24日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月24日

<H4周辺地下水E-1の全ベータ値>

3月9日採取 18,000Bq/L
3月10日採取 38,000Bq/L ※前日から2倍以上に上昇
3月11日採取 34,000Bq/L
    (中略)
4月9日採取 5,100Bq/L
4月10日採取 4,200Bq/L
4月11日採取 30,000Bq/L ※1カ月前のレベルに急増
4月12日採取 18,000Bq/L
4月13日採取 7,000Bq/L
4月14日採取 24,000Bq/L ※下がって上がってジェットコースター状態。雨の影響?
4月15日採取 25,000Bq/L
4月16日採取 22,000Bq/L
4月17日採取 16,000Bq/L
4月18日採取 11,000Bq/L
4月19日採取 8,300Bq/L
4月20日採取 7,900Bq/L
4月21日採取 15,000Bq/L ※また上昇
4月22日採取 8,300Bq/L

※ 4月22日の降水量合計は0.0mm(原発近傍の気象庁観測点「浪江」)

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月24日

<H6周辺地下水G-1のトリチウム値>
3月17日採取分で過去最高値 3,400Bq/Lを記録して以来、それまでの週1発表から毎日発表になっている。

3月17日採取 3,400Bq/L
    (中略)
4月9日採取 ND(検出限界値:110Bq/L)※ 検出限界値:110Bq/Lとは!!
4月10日採取 140Bq/L
4月11日採取 190Bq/L
4月12日採取 150Bq/L
4月13日採取 120Bq/L
4月14日採取 220Bq/L
4月15日採取 800Bq/L ※大幅に上昇
4月16日採取 450Bq/L
4月17日採取 210Bq/L
4月18日採取 290Bq/L
4月19日採取 1,100Bq/L ※大幅に上昇
4月20日採取 710Bq/L
4月21日採取 990Bq/L
4月22日採取 1,500Bq/L ※かなりの上昇

※ 3月10日(最高値の前回測定)の値は 480Bq/L
  3月3日はND(検出限界値:10Bq/L)

<H6周辺地下水G-2のトリチウム値>

4月9日採取 380Bq/L
4月10日採取 280Bq/L
4月11日採取 2,200Bq/L
4月12日採取 1,900Bq/L
4月13日採取 1,300Bq/L
4月14日採取 690Bq/L
4月15日採取 390Bq/L
4月16日採取 290Bq/L
4月17日採取 210Bq/L
4月18日採取 400Bq/L
4月19日採取 760Bq/L
4月20日採取 380Bq/L
4月21日採取 2,500Bq/L ※大幅に上昇
4月22日採取 2,000Bq/L ※若干減少

※G-2のトリチウム値は、タンクからの汚染水漏れが発生から約1か月後の平成26年3月24日・25日に記録した7,000ベクレルがこれまでの最高値だが、27日には660ベクレルまで減少していた。

<H6周辺地下水G-3のトリチウム値>
漏洩タンクから最も遠いG-3もトリチウム値が上昇

4月9日採取 390Bq/L
4月10日採取 460Bq/L
4月11日採取 520Bq/L
4月12日採取 460Bq/L
4月13日採取 300Bq/L
4月14日採取 420Bq/L
4月15日採取 520Bq/L
4月16日採取 390Bq/L
4月17日採取 360Bq/L
4月18日採取 320Bq/L
4月19日採取 280Bq/L
4月20日採取 270Bq/L
4月21日採取 310Bq/L
4月22日採取 380Bq/L

※ 4月22日の降水量合計は0.0mm(原発近傍の気象庁観測点「浪江」)

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月24日