2015年4月7日 今日の東電プレスリリース

4月7日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

結露水ではありえない測定結果。高性能容器(HIC)蓋付近に高濃度のたまり水が発見された件で続報。核種分析結果が発表される

日報への記載はなく、報道配布資料として公開された。

「各ボックスカルバート内のHIC蓋外周部の溜まり水の核種分析結果|東京電力 平成27年4月7日」

非常に分かりにくいので、1リットル当たりの放射線量に換算(Bq/L)

採取場所 ――+― AJ5 ――――― AJ8 ――――― AK8 ―――――― A1
セシウム134 +― 1,900 ―――― 1,900 ―――― 1,800 ――――― 390
セシウム137 +― 6,800 ―――― 7,100 ―――― 6,300 ――――― 1,600
全ベータ ――+― 3,000,000 ― 3,900,000 ―― 1,200,000 ―― 760,000
トリチウム ―+―(分析せず)―1,500,000 ―― 1,400,000 ―― 1,400,000

百万ベクレルオーダーの放射能が検出されているのだから、結露水ではあり得ない。何らかのルートでHIC内の汚染水が漏れ出したか、あるいは元々容器表面に付着していたものに、結露水などが混ざったという「都合の悪い状況」を考慮して対応するのが妥当だろう。

「ステファン・バーンズNRC委員長による福島第一原子力発電所のご視察」

所員へ向けた激励 撮影日:2015年4月7日 提供:東京電力株式会社

photo.tepco.co.jp

写真・動画集」のページに、今年始めにNRC委員長に就任したステファン・バーンズ氏の事故原発視察の写真が1点掲載された。

NRCは「アメリカ合衆国原子力規制委員会」。原子炉の安全、原子炉の設置許可と更新、放射性物質の保安および認可、放射性廃棄物の貯蔵と廃棄について監督を行なう米国政府の独立機関。福島第一原発事故当時のNRC委員長で、脱原発に踏み込んだ発言もしていたグレゴリー・ヤツコ氏が2012年5月21日に退任した後、委員長にはアリソン・マクファーレン氏が就任。2018年まで任期があった彼女が2014年末に退任した後、ステファン・バーンズ氏が委員長に就任している。バーンズ委員長は事故原発を視察する前日、菅義偉内閣官房長官を表敬している。(ページ末尾で紹介)
細かい話だが、東京電力の写真・動画集で要人視察を紹介する場合、写真のキャプションとして「視察」と「ご視察」の2種類が使われる場合があるが、今回は「ご視察」(2012年12月、2013年9月の安倍総理の際は「視察」だった)。背後には寄せ書きがされた国際原子力機関(IAEA)の旗も見える。

1号機~2号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年3月26日午前10時14分~)

※滞留水移送は実施中

3号機 ~使用済燃料プール水の放射能分析の結果(4月6日採取)が概ね2分の1に

1号機と同じ4項目に加え、

※2014年8月29日午後0時45分頃、3号機使用済燃料プール内瓦礫撤去作業において、燃料交換機の操作卓が当該プール東側中央付近に落下したことを受け、当該プール水のサンプリングを継続実施中。放射能分析結果が前回と比較して有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていない。(既出)

使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:4月6日)
・セシウム134:1.3×10^2Bq/cm3
・セシウム137:4.8×10^2Bq/cm3
・コバルト60:1.1×10^0Bq/cm3

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月7日

プール水1cc当たりの濃度をリットル当たりに換算するとこうなる。

・セシウム134:130,000 Bq/ L
・セシウム137:480,000 Bq/ L
・コバルト60:1,100 Bq/ L

前回(3月4日採取)分の分析結果と比べると
・セシウム134:260,000 Bq/L
・セシウム137:950,000 Bq/L
・コバルト 60:1,700 Bq/L

※ 数値が概ね半減していることが分かる。

8月29日、プール内に大きな瓦礫が落下する事故が発生して以来、プール水の測定は継続的に行われてきたが、9月9日採取分から前回まで、セシウム134が30万~40万ベクレル前後、セシウム137が100万ベクレル前後だったトレンドから、明らかに大きく減少しているが、理由は定かではない。

4号機~6号機

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置「停止中」

その他の項目に新規事項なし

・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中

地下水バイパス

新規事項なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール ~高所作業とバッティングした測定箇所で70μm線量当量率の測定を一部キャンセル。パトロール員の安全確保のため

4月6日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、測定箇所の上部で高所作業を行っていたことから、パトロール員の安全確保のために70μm線量当量率の測定を一部実施しなかった箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月7日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年4月7日