2015年2月16日 今日の東電プレスリリース

2月16日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

強風が原因か。瓦礫一時保管エリアのテントの屋根が破損

破損状況「福島第一原子力発電所構内瓦礫一時保管エリアA1におけるテントの屋根の一部破損について」

photo.tepco.co.jp

※2月16日午前11時15分頃、発電所構内北側にある瓦礫一時保管エリアA1のAテントにおいて、屋根の一部が破損していることを当社社員が確認。同日午前11時24分、昨日(2月15日)朝以降のモニタリングポストおよび構内ダストモニタの指示値に有意な変動がないことを確認。昨日の強風の影響と思われ、今後の処置については現在検討中。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月16日

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成27年2月15日午前10時14分~)

※滞留水移送は稼働中

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年2月9日午前10時41分~)

※滞留水移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置「運転中」

「日報」には新規事項として記載されていないが、昨日「停止中」とされたセシウム吸着装置が「運転中」と表記されている。

その他の項目に新規事項なし

・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中

地下水バイパス ~通算49回目となる海洋排出を開始

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日2月5日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。(既出)

2月16日午前10時12分、海洋への排水を開始。同日午前10時18分に漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月16日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

2月15日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、凍結の影響により一部実施できない箇所を除き新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月16日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月16日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月16日

1~4号機タービン建屋東側 ~1号機海側の地下水観測孔4カ所で全ベータが過去最高値。そのうち最高は地下水観測孔No.0-4の330Bq/L

「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(護岸地下水サンプリング箇所) | 東京電力 平成27年2月16日」より

日報上は「新規事項なし」ながら、2月16日発表の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(護岸地下水サンプリング箇所)」では、地下水観測孔No.0-1-2、地下水観測孔No.0-2、地下水観測孔No.0-3-1、地下水観測孔No.0-4で全ベータの値が過去最高値になっている。

<過去最高値>全ベータ(2月15日採取分)
No.0-1-2 86Bq/L (これまでの最高値:49Bq/L:2015年2月1日)
No.0-2  170Bq/L(これまでの最高値:150Bq/L: 2015年1月25日)
No.0-3-1 87Bq/L (これまでの最高値:36Bq/L: 2015年1月25日)
No.0-4  330Bq/L(これまでの最高値:300Bq/L: 2015年1月25日)

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月16日