2015年1月19日 今日の東電プレスリリース

1月19日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

雨水処理タンクエリアで、タンク検査の準備をしていた元請社員がタンク内に転落

※1月19日午前9時10分頃、構内の雨水処理タンクエリアにおいて、雨水受けタンク設置工事を請け負った企業の社員(元請社員)が、タンク天板上部(約10m)から墜落したとの連絡が緊急時対策本部に入った。

その後、救急医療室にて医師の診察を受け、意識はあるものの、動けない状態であった。同日午前10時31分に入退域管理棟救急医療室から救急車にていわき市立総合磐城共立病院へ向かった。

負傷者は、当該タンク水張り試験後のタンク内面の検査をするため、当社社員1名および元請社員2名(うち1名は負傷者)の3名で、検査準備を実施していたが、タンク内部が暗かったことから、タンク内に明かりを取り込むため当該タンク上部へ上がり、タンク天板にあるマンホールの蓋を一人で開けようとした際に、マンホールの蓋とともにタンク内部へ墜落したものと推定。なお、負傷者は安全帯を装備していたが、使用状況については調査中。当該負傷者の身体に放射性物質の付着はない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年1月19日

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年12月22日午前9時58分~)

※滞留水移送は稼働中

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中。(平成27年1月18日午前10時21分~)

※滞留水移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中

地下水バイパス

新規事項なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

平成27年1月18日のパトロールにおいて、凍結の影響により70μm線量当量率の測定を一部実施できない箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年1月19日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年1月19日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年1月19日

1~4号機タービン建屋東側 ~地下水観測孔No.0-4で全ベータの値が過去最大

「日報」には新規事項なし

◆地下水観測孔No.0-4で全ベータの値が過去最大

「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(護岸地下水サンプリング箇所) | 東京電力 平成27年1月19日」より

<地下水観測孔No.0-4>(1月18日サンプル採取)
全ベータ:65Bq/L ※前回までの過去最高値:44Bq/L(2014年6月22日)

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年1月19日

1号機放水路

新規事項なし

※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。

関連データ(東京電力以外のサイト)

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年1月19日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太