野に咲く爪木崎の水仙

爪木崎の水仙群生地

コバルトブルーの海辺に咲く無数の水仙。伊豆半島の先に位置する下田市の爪木崎には300万本の水仙の群生地があります。早咲きと言われる爪木崎の水仙は例年12月下旬から1月下旬くらいまで花を咲かせています。その水仙が見ごろを迎えているというので、昨日1月12日に訪れてきました。

花と自然の魅力にあふれる爪木崎

水仙は外来の植物で、原産は地中海沿岸からアフリカ北部と言われています。日本には中国から、室町時代に伝来した説や奈良時代に球根が流れ着いて帰化したなどの説があります。爪木崎の水仙は野水仙と呼ばれる野生に生えているもので、八重咲きと一重咲きの2種類があり、爪木崎の岬先端にある丘陵地の斜面とその裾に群生しています。

ちなみに水仙の学名は「ナルシサス」。ナルシストの語源にもなっているギリシャ神話の美少年、ナルキッソスに由来します。ナルキッソスは水面に映る美しい自分の姿にずっと見つづけるうちに憔悴して亡くなり、水仙になったそうです。

水仙の群生地にはアロエも植えられています。開花が水仙とほぼ同じ時期のため、白い水仙と赤いアロエの花が一緒に咲いており、絵になります。

爪木崎の見どころは花だけではありません。目の前に広がる美しい海も息を飲むものがあります。美しいことで知られる南伊豆の海ですが、冬の季節はよりいっそう透明度が増し、南国を思わせるコバルトブルーの海が広がっています。

水仙の花を見に爪木崎を訪れたならば、岬の周辺に設けられている遊歩道を散策するのも魅力的です。

コースの途中には、マグマが冷えて固まる際、収縮することによってできる柱状節理と呼ばれる不思議な形をした柱状の岩が無数にあります。太古の伊豆の火山活動(※)を今に伝える貴重なもので、静岡県の天然記念物にも指定されています。

岬の先端には爪木崎灯台が立っています。高台の上にぽつんとあるその姿は哀愁を漂わせており、心の琴線に触れるものがあります。灯台付近の高台からは広大な太平洋と海の上に並ぶように浮かぶ伊豆七島、そして起伏に富んだ伊豆の海岸線を見渡すことができ、爽快な開放感を感じることができます。

(※)現在も火山活動や地殻変動は続いており、伊豆半島は一年間で約4cmほど北へ移動していると言われています。

爪木崎にある遊歩道

爪木崎の水仙まつり

花や自然の魅力があふれる爪木崎。現在、水仙の花が見ごろを迎えていますが、場所によって開花時期にわずかな違いがあり、遅い所では4、5分咲きとなっています。そのため、桜などに比べて比較的長い期間、花を楽しむことができるそうです。

爪木崎の水仙は、無数の花が咲き乱れる光景もさることながら、その強く甘い香りでも訪れる人を魅了します。爪木崎では来月10日まで「水仙まつり」が開催されています。

爪木崎の水仙群生地

爪木崎の水仙のほぼ全景

参考WEBサイト

Text & Photo:sKenji