1月10日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
RO濃縮水処理設備の運転を開始
※平成27年1月10日午前10時18分、RO濃縮水処理設備について運転を開始。運転開始後の状況について、漏えい等の異常のないことを確認。なお、本設備で処理した水は、改めて多核種除去設備にて処理する予定。
RO濃縮水処理設備は、これまで淡水化装置で分離された高濃度の汚染水が貯蔵されてきたタンク群の汚染水のストロンチウム濃度を低減するために設置されたもの。タンクに貯蔵されている汚染水を、ストロンチウムとセシウムをともに除去する能力をもつ吸着塔に通した後、タンクに戻す。この設備で処理された汚染水は、最終的には多核種除去設備で処理される。設置場所は、サブドレン浄化装置建屋内。
1月13日には、RO濃縮水処理設備の資料と写真が公開された
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年12月22日午前9時58分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目
※滞留水移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装を置停止(新規事項としては伝えられず)
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~通算43回目となる海洋排出の準備が進む
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日12月30日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
地下水バイパス揚水井分析結果(1月8日採取)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
平成27年1月9日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
1月9日分のデータでは、地下貯水槽ドレン孔水で最高値は「iの北東側」で300Bq/L。「iiの北東側」で140Bq/L。地下貯水槽漏洩検知孔水では「iの北東側」での91,000Bq/L。「iiの北東側」で7,300Bq/L。「iiiの南西側」で9,500Bq/L。(ともに全ベータの値。1立方センチ当たりで発表された数値をリットル単位に換算)