タービン建屋東側(2・3号機取水口間)の観測孔2カ所の地下水で過去最大値を更新
1月4日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
H2タンクエリアのB2タンクの継ぎ目からのにじみがないことを確認
※平成26年12月31日午後0時39分頃、H2タンクエリア内のB2タンク(フランジ型タンク)側面縦フランジ部に、にじみ(5~6秒に1滴程度の滴下)を、タンクパトロール中の当社社員が発見。その後、滴下は60秒に1滴程度まで減少。滴下した水は容器に受けており、容器に溜まった水の表面線量率を測定したところ、ベータ線(70μm線量当量率)で0.03mSv/h、ガンマ線(1cm線量当量率)で0.01mSv/hであり、バックグラウンドと同程度であった。このことから、タンク内の水がにじみ出たものではないと考えている。(既出)
平成27年1月1日午前8時、当該部のにじみがないことを確認。
1号機~6号機 ~3号機タービン建屋地下の高濃度滞留水移送は年明けも停止したまま
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年12月22日午前9時58分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目
※滞留水移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
12月31日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側 ~地下水観測孔No.2-7、No.2で過去最高値
<最新のサンプリング実績>
※平成26年12月31日に採取した地下水観測孔No.2の地下水の分析値について以下の通り変動がみられた。
<今回(12月31日)採取分>
・セシウム134 2.1Bq/L(過去最大値)
〔前回分析値(12月29日採取):検出限界値(0.39 Bq/L)未満)〕
・セシウム137 7.7Bq/L(過去最大値)
〔前回分析値(12月29日採取):検出限界値(0.58 Bq/L)未満)〕
<参考:過去最高値>
・セシウム134:0.88 Bq/L(平成26年2月26日採取分)
・セシウム137:2.5 Bq/L(平成26年2月26日採取分)
なお、当該観測孔の位置する2.3号機取水口間では、海洋への流出防止を目的として、ウェルポイントによる地下水の汲み上げを継続している。
その他分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
下記資料の(その2)によると、12月29日に採取された地下水観測孔No.2-7で、トリチウム(H-3)濃度が過去最大値となっている。
地下水観測孔No.2-7(平成26年12月29日採取分)
・H-3:1,200 Bq/L(過去最大値)
<参考:過去最高値>
・H-3:1,100 Bq/L(平成26年1月19日採取分)
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1号機放水路
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年1月1日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
12月31日分のデータでは、地下貯水槽ドレン孔水で最高値は「iの北東側」で220Bq/L。「iiiの北東側」で150Bq/L。地下貯水槽漏洩検知孔水では「iの北東側」での91,000Bq/L。「iiiの南西側」で11,000Bq/L。(ともに全ベータの値。1立方センチ当たりで発表された数値をリットル単位に換算)