昨日は衆院選の投票日。私も投票所である近所の小学校へ行ってきました。
会場へ向けてバイクで自宅を出発。小学校までは2、3分ほどの距離です。寒いのでゆっくりと走っていました。すると途中、会場である小学校の前の道路をフラフラしながら走っている自転車を見かけました。
「危なかっしいけど、大丈夫かな」。最初に目にしたときはそう思いました。
小学校に到着すると、バイクを停める駐輪所を探しました。どこに停めようかと思っていると、さきほどのフラフラ自転車が校内に入ってきました。
乗っていたのは70代後半くらいと思われるおじいちゃんでした。
おじいちゃんは校門から入ってくると何度も来て勝手を知っているのか、迷うことなく門の脇にある空きスペースに自転車を停めました。そして、投票会場である体育館へ入って行きました。私もおじいちゃんと同じ校門脇のスペースにバイクを停めることにしました。
体育館に入り、最初に小選挙区の投票用紙をもらって記入台に向かおうとすると、台で候補者名を書いているおじいちゃんの後姿がありました。おじいちゃんは記入を終えると投票箱に用紙を入れ、比例代表の投票用紙を受け取って再び記入台に向かっていました。少し曲がった腰でゆっくり歩いているおじいちゃんを見ていると、投票という行為が決して楽なものであるようには見えませんでした。
夕刻の防災無線放送でふと思ったこと
私が最高裁判事の国民審査を終えて体育館を出ると、寒風の中、おじいちゃんはやはり来た時と同じようにふらつきながら自転車に乗って門から出て行きました。
その後、私は趣味のウインドサーフィンをしに海へ行きました。そして帰宅後に道具を片付けていると町内の防災無線から放送が流れてきました。
内容は、衆院選の町内の投票率が30%台であること。投票を済ませていない人は投票に行きましょうというアナウンスでした。
前日に昔行った海外旅行のことを振り返っていたこともあってか、放送を聞いた時に、投票所で見かけたおじいちゃんの姿と、以前アジアを旅行していたときに感じたことが重なって思い出されました。旅行中、現地の人と話をしていると、何人もの人が戦後の何もない状態から経済大国になった日本を賞賛していました。
ちょうど投票所で見かけたおじいちゃんくらいの年代の方たちが、戦後の経済成長を支えていた世代です。昔だけでなく今もなお、その姿には頭が下がるものを感じました。
おじいちゃんの姿を忘れずに
今日のニュースで、今回の投票率が戦後最低の「52.66%」であることを報じていました。投票所で見かけたおじいちゃんは、どのような思いでこの数字を見ているのであろうか。そんなことを考えました。
寒風のなか、フラフラしながら自転車をこいでいるおじいちゃんの姿を忘れずに、自分も未来のためにすべきことをしなければという思いを新たにしています。
参考WEBサイト
Text:sKenji