2号機トレンチの滞留水抜き取りの続報は、滞留水移送の終了時刻を記すのみ
11月18日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発の現状を読み進めます。
2号機トレンチの続報。滞留水移送を終了
※2号機海水配管トレンチについては、タービン建屋からの流入水を防ぐため凍結による止水対策を実施中であり、今後海水配管トレンチの閉塞を目的にグラウト充填工事を計画している。グラウト充填工事に先立ち、凍結止水の効果確認、タービン建屋と立坑の接続部の連通性確認および海水配管トレンチ内への地下水流入確認を実施するため、11月17日午前9時39分、2号機立坑Cから海水配管トレンチ内の滞留水を集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)に移送開始。
(ここまで昨日既出)
同日午後3時22分、移送終了。
タービン建屋地下滞留水の分析結果を発表
ND(検出限界値未満)のデータが並ぶが、いずれも半減期が短い核種(半減期が最長でもイットリウム-91の58.5日、最短はヨウ素-132の2.3時間)だ。またストロンチウムやトリチウムといったベータ核種の個々の分析結果は発表されていない。
検出された核種について、1リットル当たりに換算すると、
●3号機タービン建屋地下階溜まり水(平成26年10月21日11時10分)
セシウム-134: 6,100,000 Bq/L
セシウム-137:20,000,000 Bq/L
全ベータ : 40,000,000 Bq/L
●4号機タービン建屋地下階溜まり水(平成26年10月21日11時25分)
セシウム-134: 120,000 Bq/L
セシウム-137: 360,000 Bq/L
全ベータ : 590,000 Bq/L
原子炉を冷却した循環水が溜まっている3号機では、千万ベクレルオーダーの極めて高い状態が続いている。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年11月13日午後3時7分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年11月5日午後4時14分~)
※滞留水移送は実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~サイトバンカ建屋からプロセス主建屋へ溜まり水の移送開始
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
加えて、
・集中廃棄物処理施設において、サイトバンカ建屋からプロセス主建屋へ溜まり水を移送中(平成26年11月18日午前10時6分~)
地下水バイパス ~通算34回目となる海洋への排出を終了。排出量は1,477トン
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日11月8日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、11月17日午前10時3分、海洋への排水を開始。同日午前10時7分に漏えい等の異常がないことを確認。(ここまで既出)
その後、午後3時57分に排水を停止。排水停止状態において異常のないことを確認。排水量は1,477m3。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月17日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側 ~1,2号機ウェルポイントのトリチウム濃度が追記される(13日採取分)
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
11月13日に採取・分析が行われ、マンガン-54、全ベータ、セシウム-134、セシウム-137で過去最高値を示していた1,2号機ウェルポイントで、同日採取分のトリチウム濃度が追記された。
トリチウム濃度は、85,000 Bq/L
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。