2号機近傍のサブドレンNo.18の放射性セシウム濃度は60分の1に。No.19は上昇前のレベルまで低下。1号機放水路の続報はなし
10月25日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
1号機
新規事項なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
2号機 ~タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送停止
1号機と同じ4項目に加え、高濃度滞留水の移送停止を発表
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送実施(平成26年10月11日午前10時46分~10月25日午前9時53分)
3号機~6号機
新規事項なし
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年10月11日午前10時5分~)
※滞留水移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~藻のような生物の発生でポンプ停止中の揚水井No.11も井戸水の分析結果を公表
新規事項なし
地下水バイパス揚水井No.11は、藻のような生物が大量発生したため、10月15日からポンプを停止していることになっているが、10月23日採取分の地下水の分析結果が公表されている。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
10月24日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井 ~No.18、No.19の放射性セシウム濃度が低下傾向
<最新のサンプリング実績>
サブドレンNo.18の10月24日の分析結果については、前回と比較して1/60程度まで下降。同じく上昇が確認されたサブドレンNo.19については、上昇を確認する前の低い値まで下降。なお、近傍のN8およびNo.20については、前回と同様に有意な変動は確認されていない。
<サブドレンNo.18>
(10月24日採取)
セシウム134:1.2×10^3 Bq/L
セシウム137:4.0×10^3 Bq/L
<サブドレンNo.19>
(10月24日採取)
セシウム134:1.2×10^2 Bq/L
セシウム137:3.5×10^2 Bq/L
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年10月25日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
10月22日分のデータでは、地下貯水槽ドレン孔水で最高値は「iの北東側」での250Bq/L。地下貯水槽漏洩検知孔水では「iの北東側」での57,000Bq/L。(ともに全ベータの値。1立方センチ当たりで発表された数値をリットル単位に換算)