ホウ酸水タンクAからBへの移し替えを完了(10月15日午後)
10月16日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
3号機使用済み燃料プール水の測定内容が発表される
※8月29日午後0時45分頃、3号機使用済燃料プール内瓦礫撤去作業において、燃料交換機の操作卓が当該プール東側中央付近に落下したことを受け、当該プール水のサンプリングを継続実施中。放射能分析結果が前回と比較して有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていない。
使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:10月15日)
・セシウム134:3.0×10^2 Bq/cm3
・セシウム137:9.6×10^2 Bq/cm3
・コバルト 60:検出限界値未満(検出限界値:1.2×10^0Bq/cm3)
リットル当たりの線量に換算
・セシウム134:300,000 Bq/L
・セシウム137:960,000 Bq/L
・コバルト 60:検出限界値未満(検出限界値:1,200Bq/L)
プール水の測定結果は毎週木曜日に発表される方針か。
ホウ酸水タンク移設作業の続報
作業を実施していたが、同日午後3時30分に作業が終了。作業終了後、ほう酸水タンクの水位、温度および濃度を測定し、実施計画Ⅲ特定原子力施設の保安第1編第23条に定める運転上の制限「ほう酸水タンクの水位及び温度が管理範囲内にあること」を満足していることを確認したことから、同日午後6時47分に実施計画Ⅲ特定原子力施設の保安第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)の適用を解除。
※同日とは10月15日
1号機 ~高濃度滞留水の移送を再開、約19時間半後に終了
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送実施(平成26年10月15日午後5時55分~10月16日午後1時28分)
※滞留水移送を再開、そして19時間と23分で終了
2号機~6号機
新規事項なし
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年10月11日午前10時46分~)
※滞留水移送は稼働中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年10月11日午前10時5分~)
※滞留水移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
10月15日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
東京電力のホームページ「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」によると、16日付で発表されたH4エリアのサンプリングは、採取日である14日の悪天候のため、すべての観測ポイントで欠測(悪天候のため採取できず)
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
東京電力のホームページ「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」によると、16日付で発表されたH6エリアのサンプリングは、採取日である14日の悪天候のため、すべての観測ポイントで欠測(悪天候のため採取できず)
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年10月16日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
10月15日分のデータでは、地下貯水槽ドレン孔水で最高値は「iの北東側」での270Bq/L。地下貯水槽漏洩検知孔水では「iの北東側」での82,000Bq/L。(ともに全ベータの値。1立方センチ当たりで発表された数値をリットル単位に換算)