G4エリア高濃度汚染水の水漏れで写真公開

G4エリアのタンクの連絡弁から濃縮汚染水が漏出

報道一斉メールでは、9月4日に計4回の発表が行われた。

 本日(9月4日)午後0時4分頃、G4タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁より水が滴下していることを、A4タンクからA5タンクへの水張り作業中の当社社員が発見しました。

 滴下している水はRO濃縮水(淡水化装置で発生した濃縮水)で、堰内に留まっており、堰外への流出はありません。また、応急処置として滴下箇所をビニール袋で養生し、水を受けております。(以下略)

引用元:福島第一原子力発電所G4タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁からの水滴下について|東京電力 平成26年9月4日

「RO濃縮水(淡水化装置で発生した濃縮水)」とは、セシウム除去装置でセシウムをある程度取り除いた後、家庭用浄水器や人工透析に使われる中空糸を利用して、ほぼ淡水に近い水分を取り分けて濃縮した汚染水。いったんタンクに溜めた後、多核種除去設備ALPSなどの処理施設に送られて処理されることになっている。

続報では、弁箱に亀裂らしきものが見つかったことと、仮設ポンプによる水の移送を行うと発表。

本日(9月4日)お知らせしております、G4タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁からの水が滴下についての続報です。

 現場を確認したところ、連絡弁の弁箱にひび割れらしきものが確認され、現在も数秒に1滴の滴下は継続しています。

 今後、A5タンクから仮設ポンプにてA4タンクへ水を移送しA5タンクの水位を下げる操作を実施します。

引用元:福島第一原子力発電所G4タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁からの水滴下について(続報)|東京電力 平成26年9月4日

続く「続報2」では漏出した水の分析結果等が発表された。

 G4エリアA5タンクとA6タンク間の連絡弁からの滴下事象について、滴下した水の分析結果をお知らせします。
 ・セシウム134:2.5×10^3 Bq/L
 ・セシウム137:7.3×10^3 Bq/L
 ・全ベータ  :9.8×10^7 Bq/L

 当該連絡弁からG4タンクエリア堰内に滴下した量については、現在評価中です。

 なお、当該連絡弁からの滴下は現在も継続中であり、滴下した水は養生したビニール袋で受けておりますが、A5タンク内の水位を下げて当該連絡弁からの滴下を止める目的で、午後2時40分頃より、仮設ポンプを用いてA4タンクへの移送を開始しています。

 当該連結弁から滴下した原因等については、引き続き調査していきます。

引用元:福島第一原子力発電所G4タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁からの水滴下について(続報2)|東京電力 平成26年9月4日

・セシウム134:2,500 Bq/L
・セシウム137:7,300 Bq/L
・全ベータ  :98,000,000 Bq/L

セシウム除去装置で処理した後の汚染水なので、セシウムは低めだが(それでも合計で約1万Bq/Lもある!)、ベータ核種は1億Bq/Lに迫る極めて高い濃度。

この日最後となる「続報3」では、漏出量の想定や応急措置で漏出が止まったことを発表。

 本日(9月4日)お知らせしております、G4タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁からの水の滴下についての続報です。

 当該連絡弁からG4タンクエリア堰内に滴下した量を評価した結果、移送開始後にA5タンク水位が当該連絡弁の高さに到達したおおよその時間から、滴下発見後にビニール袋による養生を施すまでの時間を算出(滴下は1滴/秒として計算)して、約1リットルと推定しました。

 A5タンク内の水位を下げるため、午後2時40分頃より、仮設ポンプにてA4タンクへの移送を行っていましたが、ひび割れ箇所の補修および夜間における作業安全を考慮して、午後5時50分頃に移送を一旦停止しました。

 その後、接着剤(パテ)にてひび割れ箇所の補修を行い、午後6時3分に滴下が停止したことを確認しました。

 明日以降、仮設ポンプを移送容量の大きなポンプに変更したうえで、A4タンクへの移送を再開する予定です。

 A5タンク内の水位が当該連絡弁の位置より低い状態となるまでは、定期的なパトロールを行い、当該連絡弁からの滴下が無いことを確認していきます。

以 上

引用元:福島第一原子力発電所G4タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁からの水滴下について(続報3)|東京電力 平成26年9月4日

G4エリアの位置関係

Google Mapのキャプチャ画像に経産省の資料を貼り込み

G4南というエリアまでは、資料から追いかけることができたが、A4~A6のタンクの所在地は判明しなかった。今後の発表を待ちたい。

各エリア別タンク一覧によると、G4エリアのタンクは、これまでにも漏えいを繰り返してきた「鋼製円筒型タンク(フランジ接合)」と呼ばれ、置き換えが進められているタイプだ。今回は弁箱の亀裂だったが、タンク本体からの漏洩が発生しないよう、点検には力を入れてほしい。