息子へ。東北からの手紙(2014年4月16日)前篇
今日は、浜名湖の近くの高校の先生、岡田昌人さんの授業の様子を再シェア。それがなんで「東北からの手紙なんだよ!」との質問への答えは後編で。
本日の授業 世界史A初回
この授業では、人類の誕生とか古代といった、はるか昔のことは端折って、近代から今の時代を取り扱います。近代というのは何かというと、今の生活が始まった時代を言います。では、今の生活ってなんでしょう、Hさん、あなたの生活を教えてください。
「……食べてぇ、……寝るぅ?……」
うん、まあ、アミーバ並ですね、それだけだと。Y君、君はどうですか。
「起きて、食べて、学校行って、部活やって、また食べて、寝る」(部活だけだろ、って野次が飛ぶ)
うん、まあ、ようやく人間らしくなりましたね。そう、君たちは高校生だから学校というのが大切な生活ですね、ではその学校を作ったのは誰でしょう。Sさん。
「クニ、とか?」
はい、国とか県とかですね。ここは県立だから県でしょうか。では、国とか県はなぜ学校を作ったのですか?SHさん。
「教育してぇ……」
教育してどうするのですか?I君。
「…んんん、自分たちが、いい大人になるため」
いい大人……素晴らしい答えです。ほかにどうかな、D君。
「社会に出て、きちんとした仕事に就けるようにするため。」
はい、では、国は、われわれ国民に、何のために仕事をしてもらいたいのだろう。
(ここで数人にあてるも回答なし)
では言いましょう。仕事をして、きちんと税金を払ってもらうためです。だってI君、税金を払う大人と払わない大人、どちらがいい大人ですか?
「それは、……払う大人……」
ですよね。ここまでまとめると、学校とは、将来、子どもたちに、税金をきちんと払う立派な大人に育成するシステム、ということですね。将来、金を支払うために、君たちはせっせとこうやって毎日学校に来ているのですね。まるで奴隷ですね。そうやって考えると、学校って奴隷を作っているのですね。
おや、どうしました?O君、何を笑っているのです?
「先生、それ、ホントですか?」
それがほんとかどうか、一年間かけて勉強する。はたして国民は奴隷なのか、それとも、そうではないのか。そうしたことを考えていく授業です。テスト?ああ、定期テストなら、先ほど配布したワークノートを覚えれば、点数なんて簡単に取れます。自分で勝手にやってください。自分でできることは自分でやる。私の授業はそういう授業です。Tさん、あなた去年私のクラスだったから、私のやり方知っているよね。
(Tさん、あきらめたように頷く。)
どんな授業になるのか、どきどきする。
岡田さんのFacebookを見ると、この授業の話とつながるエピソードがたくさん見つかるでしょう。
再シェア●井上良太
岡田昌人先生の授業オリエンテーション「世界史A」をバーチャル受講して考えたこと