東京電力は「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」というタイトルで、原発事故への対応を日報として毎日「午後3時現在」のものを公開しています。
東京電力が毎日公開する「日報」の特徴は、新規事項、つまり前日と違うところがアンダーライン表記されること。この新規事項を毎日チェックしていくことで、廃炉に向けて作業が続けられる福島第一原発を見守ります。
1号機(平成24年4月19日廃止)
「復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中」「原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中」「原子炉格納容器ガス管理システム運転中」「使用済燃料プール循環冷却系運転中」は前日どおり。つまり、
・メルトダウンしたと思われる燃料デブリを冷却するため注水を続けている。
・水素爆発を防ぐために窒素を封入し続けている。(破損している格納容器に対して)
・ガス管理システムを運転し続けている。
・使用済み燃料プールの循環冷却も続けている。
前日からの変更点(新規事項)としてアンダーライン表示された箇所はなし。
2号機(平成24年4月19日廃止)
1号機同様の4項目に加え、「2号機タービン建屋→3号機タービン建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月26日午前9時33分~)」
アンダーライン(新規事項)なし。
3号機(平成24年4月19日廃止)
1号機同様の4項目に加え、「3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月24日午後2時37分~)」
アンダーライン(新規事項)なし。
4号機(平成24年4月19日廃止)
「原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)」「使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中」「使用済燃料プール循環冷却系運転中」
アンダーライン(新規事項)なし。
5号機(平成26年1月31日廃止)
「冷温停止中」「使用済燃料プール冷却浄化系運転中」
アンダーライン(新規事項)なし。
本文中には変更はなしだが、昨日まで「(地震発生前より定期検査中)※平成25年12月18日に廃止を届出」とされていた5号機・6号機が「廃止」と記載されたことが最大の変更点だ。
6号機(平成26年1月31日廃止)
「冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)」「使用済燃料プール冷却浄化系運転中」
アンダーライン(新規事項)なし。しかし5号機同様、前日付けで「廃止」表記に。
共用プール・水処理設備および貯蔵設備・H4エリアタンクおよび周辺排水路
共用プール・水処理設備および貯蔵設備についてはアンダーライン(新規事項)なし。
H4エリアタンクおよび周辺排水路については、最新のパトロール結果として下記をアンダーライン表記。
<最新のパトロール結果>
平成26年1月31日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))は確認されていない。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
また、<最新のサンプリング実績>について、下記の報告。
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側の状況
地下水汲み上げ用の孔No.1-16(P)からの汲み上げ水の分析結果:1月30日採取分について、トリチウムの結果を追記。
・トリチウム :41,000 Bq/L
「その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。」もアンダーライン表記された。
地下貯水槽の状況
昨年大々的に取り上げられた、露天掘りの地下貯水槽の「拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、地下水バイパス揚水井No.1~4、海側観測孔)は継続実施中。」とし、新規事項として下記をアンダーライン表示。
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年2月1日分の変更箇所についてピックアップしました。
構成●井上良太