こどぱにー、お祭りで大・盛・況!

8月1日。
おまつり会場になった街なかでも、いちばん混雑する寿町通り。ピースボートセンター隣の空き地に、こんな看板が出現!

縁日のように出店が並ぶ通りで、秘密基地づくり?! 
もちろん空き地はこどもたちでいっぱい。熱気むんむん、大盛況!

外から、中から、トンカントンカン、ギーコギコ。
チョークできれいなデコレーションも!

あそびの基本は自己責任。もちろんルールは自分で守る。
人に言われてなんて、楽しくないもんね。

「秘密基地づくり」会場のお隣では、「こども商人」が絶賛営業中!
みんなでつくった「おからコロッケひじき入り」の売り上げは、
8月のエコキャンプの軍資金になるのだ。だから、販売には力が入るのだ!

ふだんは黄金浜のちびひろをサポートしてくれている地元のお母さんたちも参加して、次々と揚げられていくコロッケ。

終了予定時間10分前には「もう、残ってるのはこれだけよ」

暑いなか、熱い調理現場でおつかれさまでした!

こどぱにー、パワーアップ中

この日、みんなでつくった秘密基地は、ユニックで吊り上げてトラックに載せ、
こどぱにーのホームグラウンド、黄金浜のちびひろに運ばれることに!
(これを機会に、ちびひろにやってくる人がふえるぜぃ!)

こども商人たちがコロッケを売った利益は電気もガスも水道もない、
原始人みたいなエコキャンプの軍資金になる! これは前述のとおり。

※「こどぱにー」=こども∞感ぱにー(こどもむげんかんぱにー)
※「ちびひろ」=石巻市黄金浜(渡波)にある、ちびっこあそび場

お祭りで楽しむだけ楽しんでおいて、さらに明日につなげていこうなんて、
さすがこどぱにー、抜かりがない。というか、圧倒的に正しい。

かっちゃんから仕入れておいた事前情報(目論見というやつ)と、
目の前に繰り広げられている光景を重ね合わせて、
血が湧き上がるくらいうれしかった。

最初は災害支援活動として石巻にやってきて、
こどもたちや地元の人たちといっしょに活動する中で、
ここが好きになって、支援の母体だった団体が撤退した後も、
もう少しいさせてもらいたい、という気もちで「ちびひろ」その他を
運営し続けてきて。もちろん、いろいろ大変なのも聞こえてきていたけれど、
今日のこの光景だ。

こどもたちも一緒にみんなでガッツポーズしたい気分だった。

(ひとりで興奮していても仕方がないので、メンバーの様子をお伝えします)

まず、なおちゃん。

冬のちびひろでは風が猛烈に吹き荒れていたから、せっかくの美貌も埃だらけ。
「いや~、写真撮らないで~」ってフードで顔を隠していたけど今日は違う。
会場全体に目を配り、テントの中でも笑顔がひときわ輝いている。
なんだか自信に満ちた強さまで感じられたのは、たぶん気のせいじゃないだろう。

かっちゃんは、暑さのせいか、事務シゴトの激務のせいか(たぶん両方だろう)、お疲れぎみだったけど、それでもこどもたちが楽しそうに遊ぶ様子に目を細めていた。訪ねてきてくれた人たちと、熱いハグを交わすのも相変わらず。

あそび隊長のたぎさんは大工仕事担当。秘密基地の建設現場を回って、こどもたちの手伝いをするかと思ったら、短く軽くアドバイスするだけ。そのアドバイスがまたツボを突いている。
「ここまで来たら、後はもう見てるだけで大丈夫」

ふたりが秘密基地を眺める後姿、自分で撮っててなんですが、絵になります。

そしてけろちゃんは、ほぼ開口一番でこんな話。

この前ね、黄金浜の地元の人に雨水を溜める仕組みを作ってもらったの。
これでどろんこ遊びもバッチリだーって、
水着を持って遊び場に行ったんだけどね、着替える前に泥だらけ~。
すんごく泥だらけだったから水着に着替えて帰ったのね。
クルマの中で「あれ、なんかヘンだぞ」って。
あはは~

いやあ、いいなあ、けろちゃん健在!

ちびひろの近くに拠点を借りた。
借りた拠点の近くの小学校でも活動を始めた。
こどもたちが学校帰りに拠点に押し掛けてくるので、
あそびに開放する日を設けた。
委託事業もなおちゃん中心に頑張っている。

活動をはじめて4カ月。
事業は順調に進んでいるように見えるが問題はある。はっきり言ってお金のことだ。

いまは助成金に頼るしか方法がない。
助成金をとるための事務シゴトは半端ではない。
書類の量が多い。調べものも多い。助成を得るための「文法」もある。
他所では「助成が獲れるスタッフ募集」という話も聞く。専門職化しそうな勢いだ。
そんな大変な仕事だから、
事務局長のかっちゃんだけでなく、けろちゃんも現場に出られないことがあるらしい。

「助成金は大切だけど、期間が終了したらおしまいでしょ。持続性がないからね。もっと継続的に運営していけるようにしないとね。」

でもね、オレ思うんだ。この活動って、本当なら小学校や中学校の校区ごとになきゃならないものでしょ。こどぱにーは黄金浜から鹿妻へと活動を増やして行ってくれてるけど、もっともっと増やしてほしい。そのためにもお金の問題がたいへんになってくると思うんだけど。

「そうね、まずは運営がしっかりしないとね。ボランティアを増やす方向でも動いているのよ。」

かっちゃんに聞いたけど、賛助会員っていうのかな、みんなが支える仕組みをつくるんだってね。

「私たちがやっていることを理解してくれる人を増やしたいのよね。」

――彼女たちがやっていること。
けろちゃんがプロフィール写真に、川の中で野生の鹿を解体しながらにこっと笑っている一枚を選んでいるのを思い出した。

自然児(自然人)、自由人(自由児)の彼女たちだからこその、こどもとの関わり。
そんな「道(ドウ)」があるかどうが知らないが、
「いのち道」を貫こうとしている彼女たちにしかできないこと。

強力に応援したい。応援する方法は、たぶん次回ちびひろに行く頃には決まっているはず。続報します。お楽しみに!

ひと文字ひと文字、字の途中でチョークの色を変えるなんて、そんな面倒なことをしてでも伝えたかったくらい、本当に「たのしかった」んだろうね! たぎさんと「あれ、いいよね」の言葉だけでこの書き込みのことだって通じてしまった!

●TEXT+PHOTO:井上良太(ライター)