6月22日からの土日を使って、伊豆の国市にこども達がやってきました。
いわき市の久之浜第一小学校から。
今回のショートステイは、福島から静岡に避難している県外生活者をサポートしている「はままつ東北交流館」の佐藤大さんと、伊豆を拠点に被災地支援を続ける「伊豆どろんこの会」の白井忠志さん、そして久之浜地区の多くの人たちのコラボで実現したものです。
初日は、狩野川での川遊び。
そして二日目は今回のメイン行事の田植えです。
神妙な面持ちで説明を聞いて、整然と列を組んで田植え…。
なんて流れは最初だけ。素足で田んぼに入っている心地よさに、
男子も女子も雄叫びのような声をを上げ、
田植えなのか泥遊びなのか分からないフェーズへ突入。
やっぱこうじゃなくっちゃ、なんて笑っていたら、
小久地区で農業を営んでいるお母さんに叱られた。
「田植えしねえなら、上がってろ。こら、そこイネを踏むな。苗をよけて歩け!」
まったく、とこぼしながら、こども達が滅茶苦茶にした田んぼをきれいに均して、イネを植え直していく。お母さんがいなかったら、どうなったことやら。
「田植えだっていうから、田んぼ用の長靴まで持ってきてんだ。きっちり働かねばね」
履いているのは泥の中でもスポッと抜けない、農家御用達の長靴なのだそうです。
泥まみれになって、おばーちゃんに叱られて、それでもカエルをつかまえたりして。
いろんな声が交錯しながら、田植えの時間は流れていきました。
ちょっと時間があいたら、
「ジャン~プしてるところカメラで撮ってよ」なんて、
すぐに、その場で遊びを発明。
田んぼの後に立ち寄った公園では、
制限時間めいっぱいまで遊ぶ、あそぶ、アソぶ!
みんな真っ黒に日焼けしていて、とても元気だけど、
市の南の方から毎日スクールバスに乗って久之浜の小学校まで通っていて、
学校から帰っても、いっしょに遊ぶ仲間がいない、なんて人もいるのです。
「気にし過ぎてもね」と言いながら、放射能の影響を恐れている人もたくさんいます。
元気な笑顔と友達になれて、うれしかった。
今度は久之浜で会おう!と話したりした。
でも、笑顔の向こうに心配がある。
こども達の笑顔は宝物だけど、
大人は大人として考えなければならないことがある。
行動しなければならないことがある。
たとえば、この子たちと関わっていくこと。
またステイに来てもらえる機会をつくること。
たいへんだけど、一番大切なのは放射能のこと。
こんど来る時はね、もう少し長く、ゆっくりと伊豆の自然を楽しんでほしい。
自分たちの笑顔がとっても貴重なんだってこと、君たち自身に気づいてほしい。
そういう場所を、大人たちは作んなきゃならねえ。
●取材協力:NPO法人伊豆どろんこの会
●TEXT+PHOTO:井上良太(ライター)
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