【遺構と記憶】季節のめぐりの中で。陸前高田の米沢商会

旧市役所庁舎も体育館もマイヤも見えなくなって、ランドマークがなくなった陸前高田の町中に立つのは、米沢商会さんのビルです。

2013年6月4日、陸前高田市の東浜街道から

町のほぼ中心部、市役所のすぐ近くの東浜街道沿いにあって、パッケージプラザという包装用品のフランチャイズ店として、町並みのなかで営業していたビルは、ひとり残された場所でシロツメクサのクローバーに囲まれていました。

以前もお伝えしましたが、このビルの屋上の小さな煙突には、「津波到達水位」と記されたプレートが掲げられています。ビルのオーナーさんは、煙突の上まで逃げて、まさにぎりぎりの状態で救われたのです。

ビル1階には祭壇が設けられていました。

報道されて以来、訪れる人が増えてきたのでしょう。建物の右側の階段前はバリケードでふさがれました。

ビルのオーナーさんは、高台の仮設商店街でお店を再開しているそうです。

次に訪問した際には、町の未来のこと、ビルの保存のことなど、ぜひお話を伺ってみたいと思います。復興に向けての商売のお邪魔にならないように。

建設機械とシロツメクサと砂塵の地に、ぽつりと立っている。