米・大統領選挙の観測記事を文字分量で比較してみた

11月6日の一般有権者による投票及び開票に向けて、いよいよ佳境に入って来たアメリカ合衆国の大統領選。8月の共和党大会で選ばれるのがミット・ロムニー氏であることは99%確実です。いよいよオバマ陣営VSロムニー陣営の一騎打ちがスタートしました。

そこで気になるのが、これから夏にかけての両候補の動き。産経新聞≪米大統領選、夏の追い込みへ≫(2012年7月5日 8時14分)が伝えたところを元に見てみましょう。まず現役のオバマ大統領について。

オバマ米大統領(民主党)は今年、2009年から3年連続で訪れていたマサチューセッツ州の避暑地、マーサズ・ビンヤード島での夏休みを返上する。(中略)オバマ氏が家族水入らずで過ごせるとして気に入っていた避暑地での夏休みを避けたのは、不景気で苦しむ国民や、大統領選を前に「サイクリングやゴルフをする暇があったら、再選に向けてすべきことがあるだろう」(マサチューセッツ州の地元紙ボストン・グローブ)との批判に配慮したためとみられる。

対するロムニー候補の方はというと、

ロムニー氏は別荘で英気を養った後、イスラエルを訪問。ネタニヤフ首相らと会談するほか、パレスチナ自治政府のファイヤド首相と会談する。

オバマ大統領は中東和平の方針を巡ってネタニヤフ首相とうまく行っていないくて、就任以来イスラエルを訪問したこともないとも書き添えています。

ロムニー氏はイスラエル訪問の際、米国のユダヤ票を念頭に、大統領に就任したあかつきには、同国を初の訪問国にすると約束するとともに、同盟関係の強化を訴え、中東問題への関心の高さをアピールする算段だ。

記者の読みでは、イスラエル訪問も大統領選挙対策ということらしい。さらに記事は次のように続けます。

(ロムニー氏は)ロンドンを訪問して五輪を観戦する。米国選手を応援する姿を報道してもらうことで、米国民から、党派を超えた幅広い共感を得る狙いがある。

イスラエル訪問と五輪観戦で、支持政党を越えて票を集めることができるかどうかは分かりませんが、この記事を読む限り、なんだかロムニー氏優位なように思えてきます。とり上げられた内容は、オバマ大統領は「夏休み返上」のワンテーマ。これに対してロムニー氏は「イスラエル訪問」「五輪観戦」の2テーマだから当然ということでしょうか。ちなみにこの記事で費やされた本文の文字数を比較してみると、オバマ氏:353文字     ロムニー氏:344文字

(句読点、段落冒頭の空欄も1文字としてカウント)と、意外なことにほぼイーブン。しかし、オバマ大統領についての記事には、就任以来イスラエル訪問していないことや、オバマ大統領の夏休みの定宿がすでに英国人に予約されているといった内容もあります。この部分の文字数は、119文字。

オバマ大統領に対するネガティブな内容の文字数をロムニー氏分に上乗せすると、234対463 とほぼダブルスコアになりました。

参考ページ◇産経新聞≪米大統領選、夏の追い込みへ≫(2012年7月5日 8時14分)